(本記事はnoteの有料記事『ついに動き出す企画。産婦人科医やっきーの集大成。』の内容を再編したものであり、『産婦人科医やっきー、書籍を出版します。タイトルを公募します。』と同一の内容です)
書籍の出版が決定した。
産婦人科医やっきー、初の単著である。
一応、私は今までにも南山堂の『みえる!わかる!婦人科・産科・女性医療のくすり』や、
宝島社の『このマンガがすごい!2025』などに寄稿をしたことがあるため、商業出版への参加自体は経験している。
しかし『婦人科・産科・女性医療のくすり』は柴田綾子先生が中心となって執筆されたものであり、あまりムチャクチャな文体で書くわけにもいかないので、私の個性を出すことは最小限にとどめた。
『このマンガがすごい』に至っては、私に与えられた文字数は最大120文字だ。私は基本的に長文芸で生きている物書きなので、これはキツかった。
(ただ、上坂すみれさん・片桐仁さん・佐藤栞里さんといった名だたる面々に与えられた文字数もマックス200文字ほどである。そう思うと、どこの熊の骨とも分からない私に120文字も与えてくれたのはむしろ過大評価とすら言えるのだが)
しかし、今回の書籍は私の単著である。
出版社のストップがかからない限り、何を書こうが自由であるし、スペースの許す限り書きまくれる。

なお、今回の出版社はというと、上記の『婦人科・産科・女性医療のくすり』と同じく南山堂である。
担当編集者に聞くところによると、『くすり』の企画と全く別のところで私の書籍化企画が持ち上がったらしく、
『くすり』がいい感じだったから単著も頼んでみよ、というわけではないらしい。
なかなか南山堂とは縁があるな、と思いつつも、
『くすり』の際のやり取りはすごくスムーズであったし、今回の編集者もサポートメンバー登録をして、私の文章を熱心に読んで頂いている方である。
私の文体や温度感もよくご存知であり、一緒に本を作る上で心強いパートナーであることは間違いないと思っている。
私の普段の発信と同じ、いやそれ以上に、「おもしろさ」と「医学的な正確性」を両立させた書籍にするつもりだ。
ご期待に沿える内容になることをお約束する。
それでは、肝心の書籍の概要について説明していく。
現在(2025年5月)決まっていること
まずは、現時点で決まっていることを読者の皆様と共有しておこう。
・予約開始は7月頃、発売は8月頃
・内容はニュースレターやブログの記事を加筆修正したもの+書き下ろし多数
ページ数や価格に関しては、なるべく手に取って頂きやすい価格に設定する予定だが、
7月頃に行われる編集者との殴り合い(社内会議)を経て最終決定となるため現時点では伏せておく。
書籍の内容
今回の本の内容は大きく5つに分けられる。
まず第1章が『俗説の検証』である。(章の名前はまだ思案中だ)
私のニュースレターの読者数を5000人近く伸ばした「男女の産み分け」から始まる。他にも「逆子の直し方」など、産婦人科にまつわる俗説を取り上げていく予定だ。
第2章が『ワクチン』だ。私は今までにワクチンの解説記事(インフル、コロナ、HPV、その他の定期接種など)をたくさん書いてきたが、ブログとニュースレター、その他の媒体で散逸的になってしまっていたため、これをギュッとまとめた。
「インフルやコロナは何故怖いのか」といった基礎知識から、ワクチン接種の意味、よくあるワクチンデマの解説まで、医学的にもなかなかの仕上がりになったと思う。
第3章が『産科』だ。「つわり」「マタ旅」といった過去に執筆してきた記事の内容を題材としつつ、中身は大幅にブラッシュアップしている。
というか、この本全体がブラッシュアップの結晶のような作品だ。WEB記事と違って書き直しがきかないので内容の正確性はいつも以上に気を付けており、面白く読める工夫も随所に凝らした。
第4章が『婦人科』だ。生理のコントロールやがん検診など、要するに婦人科や予防医療の内容である。
一から丸ごと書き上げる項目もあるので、是非楽しんでいただきたい。
そして、これらの章とは別で『コラム』も充実させている。記事一本分に仕上げられるほどではないが掘り下げ甲斐のある内容を多く扱った。
「赤ちゃんの髪の毛の話」など過去のバズツイを書籍仕様に改変したものもあるが、「サウナって健康に良いの?」「血液型の豆知識」などの書き下ろしが大半を占める。

この本、めちゃくちゃ売りたい
ここで大事なことをひとつ言っておくが、私はこの本をめちゃくちゃ売りたい。
Amazonランキング一位とかそういう次元ではない。最低でも二万部は売りたい。
私のような実績のない匿名医師の処女作となると、重版なしの数千部が関の山。二万部が売れれば昨今の医療本としては大成功の部類だろう。
だが、私はこの本を売りたい。どこの書店でも平積みされるくらいには本気の本気で売りたいのである。
理由はいくつかある。
売りたい理由①:本と書店への恩返しのため
読者の皆様はご存知の通り、私は幼少期から漫画を浴びるほど読んで成長してきた。
そもそも現在の活動の原点がこの「マンガを医学の視点から解説するブログ」なわけなので、漫画なくして今の私はない。
私は医大に入る前に一年間の浪人生活を送っていたが、医大に合格するためにインターネットやゲームなど、ほとんどの娯楽を絶った。
とはいえ完全な勉強マシーンになることは不可能だったので、「昼休みと寝る前に読む漫画だけOK」というルールを自分に課し、何とかやってこれた。
辛く苦しかった浪人時代において、漫画探しのために行った書店は私にとって数少ない「純粋に楽しい空間」だったのである。
今でも書店に足を運ぶ時は心が躍る。

だが、今は周知の通りの出版不況。
YouTubeやNetflixといった次世代のエンタメが可処分時間を削り、電子書籍が台頭し、書店は次々に潰れている。
私が浪人生時代に行きつけにしていた大型書店も、既に閉店してしまった。
「紙の本」というメディアの価値が毀損されているとまでは思わないが、10年くらい前までに比べて立場が相対的に弱くなっていることは間違いない。
だからこそ、私は今までの自分を形成してくれた本というものへ、書店へ、出版社へ、印刷会社へ、本に関わるあらゆる人へ、自分の本を売りまくることで恩返しをしたい。
書店という大好きな空間の一角を担う存在として、最大限のパフォーマンスを出していきたいのだ。
売りたい理由②:物書きとしての目標達成のため
私は物書きである。
医大に入学し、可愛い先輩に文章を褒められてマツコ・デラックスに出会ったあの頃から「物書き」として生きることを決めたのである。
そんな物書きにとって最大の目標といえば、やはり「書籍」に尽きる。
WEBメディアはもちろん良い。自分で好きなように書きたいことを書けるブログ、読者様の需要と供給がガッチリ嚙み合う瞬間を肌で感じられるニュースレター。どちらも最高なのだが、やはり物書きの本懐は本を書くことだ。

ここで生々しいお金の話をするのだが、仮に5000部が売れたとしても私に入ってくる印税はニュースレターの月間課金額の数か月分くらいだ。
(2025年5月現在、月に20万円くらいのお金を読者様から頂いている。資料代や作業用の環境作りに不自由することがほぼ無くなったため、本当にありがたい。)
もちろん大きなお金であることには違いないのだが、お金を稼ぐだけならニュースレターの記事をガンガン更新して、サポートメンバー数を伸ばすことに心血を注ぐ方が効率はずっと良い。
だが、今の私がすべきことはそれではない。
一生に何度もないような機会であろうことを考えると、今は執筆活動にフルベットしたいのだ。
「作家 やっきー」として自分の本がどこまで行けるか、本気で取り組んでみたい。
売りたい理由③:正確な医療情報を広く届けるため
ブログ設立から私が一貫して続けているのがこれ。
「正確な情報」だけが目的なら私のブログやニュースレターなんて要らない。厚生労働省や日本産婦人科学会のホームページだけ読んでいればいい。
だが、「妊娠中にコロナワクチンって打っていいんだっけ?」と気になった人が厚生労働省の複雑怪奇なホームページを巡回して情報を受け取りに行く可能性はきわめて低い。
居るとしても、上位1%に入るくらいに医療リテラシーのある方だ。
99%はそうではない。ググって出てきた適当なサイトの情報をあたって判断する人間が大半だろう。私だって医療以外の分野ではそうしている。
政府や学会の公式声明の方がずっと信頼度が高いのに、何故そんなことをするのか?
答えはシンプルで、読みづらくて面白くないからだ。

「正確」なだけの情報は、医学的な価値は高い。だが読まれづらい。
「面白い」だけの情報も、人を楽しませるという意味では価値が高い。しかし、それらが実生活の役に立っているとは言いがたい。(そういう意図のメディアではないことは百も承知で)
私はその両方を狙っていきたい。
「とりあえず楽しんでもらえて、読み終わった後に幾ばくかの医療知識も持って帰れる文章」が私の理想とするところだ。
ワクチンデマ本がベストセラーになってしまう現状だからこそ、マトモな本を少しでも増やしていきたいのである。
出版にあたって行うこと(予定)
繰り返し言うが、私はこの処女作を本気で売りたいと思っている。
そのために行うことを列挙していく。詳細は未定の内容もあるが、決まり次第こちらのニュースレターやnoteで周知を行っていく予定だ。
①初版限定特典:ボツ原稿
現在想定しているのは「初版のみ巻末にQRコードを掲載し、そこからボツ原稿が読める」という仕組みである。
今回、書籍用の記事執筆にあたってページ数の都合で泣く泣くカットせざるを得なかった部分が大量にある。
一つだけ具体的に示すと、書籍用の書き下ろしコラムで「血液型の豆知識」を執筆したのだが、これの筆が乗りすぎて全力解説記事並みのボリュームになってしまったため、半分くらい削った。
こういった「本当は載せたかったけど紙面の都合で泣く泣くカットした文章」を、初版限定のボツ原稿として皆様にお届けする。
現状は2刷以降に掲載しない予定なので、是非皆様には初版本を購入して頂きたいと思う。
②予約特典:書き下ろし全力解説+マンガ考察記事
突然だが、皆様は「本が重版されるために最も大事なもの」が何かご存知だろうか。
「売れること」はもちろん重要だ。出版社は売れない本を刷ることはしない。
だが、最も重要なものは「初動の売れ行き」である。
もっと言えば「予約数」だ。
村上春樹や東野圭吾の新作が出るとなれば、書店にとっても「これは売れるに違いない」と判断される。大量の注文が入り、平積みされ、POPが作られる。
なぜなら、彼らには凄まじい実績があるからだ。
だが、私のように初めて本を出版するとなれば、書店にとっては「どれくらい売れるのか」が測りにくい。
仮にXのフォロワーが4万人居ようと、ニュースレターの登録者数が2万人居ようと、書店にとってはあくまで参考値に過ぎないのである。
しかし、発売前からの予約数が多いとどうだろうか。
「この本は話題になっている」と判断され、書店からの扱いも向上しやすい。出版社にとっても本をプッシュする材料となる。
いったん発売となってから、口コミや宣伝によって売り上げを伸ばしていくというケースも勿論あるが、出版社や書店にとって重要なのは「初動の段階でどれだけ売れるか」である。

「売れる本は推される」「推される本が売れる」という好循環が生まれるためには、この「初動」によるところが大きい。
そのために最も測りやすい指標が「予約数」なのだ。
(もちろん、上手く嚙み合った場合の話である。あらゆる書籍がこのルールで回るわけではない)
よって、私はこの「予約特典」にかなりの力を入れる。
書店の予約票の写真や、Amazon・楽天などの予約画面のスクショなどを専用のフォームに投稿することにより、発売日にメールで予約特典が行き渡るという仕組みを設ける予定である。
予約特典専用としては、書き下ろしの全力解説記事だけでなくマンガ考察記事も付ける。
ぶっちゃけ、マンガ考察記事は権利の関係で初版限定特典(本に仕込むQRコード)などの出版社を介した経路に入れるのが難しい。なのであくまでも私が自主的に、予約者様に特典を配る。
③タイトルは読者様の公募により採用する
ここまで書籍のタイトルを「やっきーの本」「処女作」といった表現にとどめ、明言してこなかったのには理由がある。
私にはネーミングセンスが絶望的にないのだ。
この事実はいずれnoteで記事にしたいと思っているのだが、ともかく私には気の利いたタイトルを考えるネーミングセンスが無い。
よって、タイトルは読者の皆様からの公募で決める。
是非、皆様のネーミングセンスをこのシロクマに分け与えて頂きたい。

採用条件は以下の通り。
・産婦人科にまつわる「面白くて役に立つ本」だと分かること
・メインタイトルは覚えやすく、長すぎないこと(副題は付いてもOK)
✅ 例:『産婦人科医やっきーの全力解説本』 ← 「全力解説本」がメインタイトルになり、短いのでOK
❌ 例:『産婦人科にまつわる俗説を検証してみた』← 長くて略しにくいのでNG
・締め切りは5月23日(金)23:59まで
・1人につき3タイトルまで投稿可能
・応募して頂いた中から、私や編集者の独断と偏見で決定する
なお、タイトルが採用された方に関してはサイン本をプレゼントする予定だ。
(類似したタイトルを複数人が投稿した場合、最も早い人を優先する)
こちらのXのポストに引用リポストをする形で投稿して頂けると幸いである。
なお、非公開アカウント(鍵アカ)からの投稿は認識できないため、公開アカウントでご応募いただきたい。
読者の皆様にお願いしたいこと
以上を読んで、ありがたくも私の書籍を買いたいと思って下さった読者の皆様に私からお願いしたいことはただ1つだ。
買って燃やしてまた買うことである「予約」である。
繰り返しになるが、本の価値は予約数で決まる部分が大きい。
「発売日に本屋さんに行こう」というのも勿論すごくありがたいし、そうして買って下さった読者様全員に向かって1日5回の礼拝をする所存なのだが、最も嬉しいのは予約をして頂くことなのである。
では、どこで予約をするのか。
できれば、最寄りの書店で予約をしてほしい。

「予約開始になったらAmazonでポチっとこ」というのも勿論、すごくありがたい。
そうして予約して下さった読者様ひとりひとりの顔を思い浮かべつつ1日に1万回、感謝の正拳突きをして音を置き去りにしたい所存なのだが、出版社にとっては「書店で売れること」こそが最も重要なのである。
ここはまあ正直、出版社による大人の事情が絡まなくもないのだが、私が掲げる売りたい理由のひとつ「本と書店への恩返しのため」という目標にも合致している。
そのため、可能であれば書店での予約をお願いしたい。
もちろん、地域の状況や育児の都合で書店に足を運ぶことが難しい場合もあるだろう。
そういった場合は無理せず、Amazonや楽天で注文をして頂けると非常にありがたい。(書店とECサイト、どちらで予約した場合も予約特典はお送りする)
本日の記事は以上です。引き続き、最高の本をお送りするべく執筆を続けていきます。
7月の予約開始をお待ちくださいませ。
書籍タイトルのご応募もよろしくお願いします。
現在、ニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を配信中です。
「男女の産み分けってできるの?」「逆子って直せるの?」「マーガリンは体に悪いの?」などの記事を基本無料で公開しておりますので、こちらもお楽しみください。

産婦人科医やっきーのオリジナルLINEスタンプを発売開始しました!!
日常会話はもちろん、妊娠前・妊娠中・産後の女性にも使いやすい内容となっております。
こちらからダウンロード可能です。
