こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
突然ですが、「TORCH症候群」という概念をご存知でしょうか。
TORCH症候群とは、簡単に言えば「妊娠中に感染すると赤ちゃんにすごく悪い病気の語呂合わせ」です。
医学生なら確実に一度は習う概念ですね。
そしてこのブログを書き始めて1年半が経ちますが、実はTORCH症候群に該当する疾患の中で単独記事を書いたのは梅毒だけだったりします。
これは産婦人科ブログとして由々しき事態ですし、
TORCH症候群は妊婦さん・妊娠希望のある女性にとって決して無縁とは言えない存在です。
そんなわけで、本日はTORCH症候群のひとつである「風疹」について取り上げていきましょう。
題材は大今良時先生の『聲の形』です。
『聲の形』
『聲の形』とは、聴覚障害といじめを題材にした作品です。
と書くとかなりハードな作品のように見えますし実際ハードな作品なんですが、
大今先生による心情描写が巧みなことと、良い奴と胸糞キャラの塩梅が絶妙なこと、
何よりヒロインの硝子が可愛いのでついつい読み進めてしまう作品でもあります。
では、この『聲の形』にどのような形で風疹が関わってくるのか、
それを説明するためにあらすじをご紹介していきましょう。
あらすじ
主人公は石田将也。
小学生時代は幼稚で向こう見ずな、いわゆる悪ガキといったポジションでした。
そんな彼が小学6年生の時にクラスに転校してきたのが、耳の聞こえない少女・西宮硝子です。
日々に退屈を感じていた将也は硝子に対しいじめを始めます。
次第にエスカレートするいじめは、あるとき急展開を迎えます。
将也らのいじめにより硝子の補聴器を幾度も紛失させていましたが、これにより170万円もの被害総額を出していたことが明らかになりました。
このいじめにはクラスメイトも荷担し、担任も半ば黙認していたのですが、
ことの重大さに担任・クラスメイトは一丸となって将也を糾弾しました。
この事件をきっかけにいじめの対象は将也へと移り、渦中にいた硝子自身も転校してしまいました。
元々、社交性ではなく無鉄砲さだけで友人を作っていた将也は誰とも馴染むことができず、
小学校はおろか中学・高校に至るまで孤独なまま過ごすことになります。
人生に絶望した将也は、高校3年生までのアルバイトで170万円を稼いで母親へ返済した後、
最期の贖罪として硝子を探し出し、このために覚えた手話で謝罪をしました。
将也は元々、この後に自殺をする心づもりでしたが、
硝子と接したことで心境に変化が訪れ、自分が奪ってしまった硝子の楽しかったはずの小学生時代を取り戻すため、命を懸けて彼女に献身的に尽くすことにしました。
『聲の形』は、そんな2人による物語を描いた作品です。
…このように、もんのすごい雑なくくりで言えば恋愛ものというカテゴリに入りますが、
決して甘酸っぱい青春というわけではなく限りなくビターな物語です。
そこに一服の清涼剤としてお届けされる圧倒的な硝子の可愛さが光ります。
ちゅき…
全7巻と長すぎず短すぎない、非常に読みやすいボリュームですし、
最終的には様々なわだかまりが解けて大団円となります。
ちょっとほろ苦い青春を楽しめる、おすすめの作品です。
余談ですが、「女の子がいじめられている」「その後いじめの対象が主人公に移る」「距離感が近いが気の良い天パの友人」といった物語の根幹になる部分は、
伝説のWEB漫画『オナマス黒沢』に通じるところがあります。
いずれも劣らぬ名作です。
『オナマス黒沢』は全話無料で読めますし、以前にも紹介記事を書いていますので、気になる方はこちらからどうぞ。
【お勧め漫画紹介】今すぐ全編無料で読めるおすすめWEB漫画3選『ジエイのお仕事』『琴浦さん』『オナマス黒沢』
硝子の聴覚障害の理由
さて、『聲の形』の根幹である硝子の聴覚障害の理由について見ていきましょう。
実際のところ、作中で原因が明言されているわけではないのですが、32話にて限りなく核心に迫る描写がなされました。
硝子が聴覚障害を抱えていることが原因で、硝子の両親が離婚した際のやりとりです。
硝子が3歳の時に聴覚障害があることが発覚すると、
硝子の父親とその両親から絶縁を言い渡されました。
この作品には胸糞人間が何人か登場しますが、多少は情状酌量の余地があるケースもある他の面々と異なり、
硝子の父親とその両親に関しては徹頭徹尾、硝子のことを欠陥品扱いし、
聴覚障害の原因として硝子の母・八重子に全ての責任を押し付けるというどうしようもないクズムーブをかましています。
おまけに、このとき八重子のお腹にいた第二子・結弦(硝子の妹)の養育費等も含めて完全に放置していることが伺えます。
諸悪の根源こいつらじゃね?
ともかく、これをきっかけに硝子の母・八重子は硝子を強く育てるためにあえて手話も覚えず、聾学校に通わせることもせず、
周囲に対し独善的と思われるほどに厳格な態度を取り続けることになります。
これによる将也ら周囲とのディスコミュニケーションもまた、彼女の不器用な性格を表していると言えるでしょう。
話を聴覚障害の原因に戻しましょう。
「感染症のせいだって言ったでしょ!」「予防接種しなかっただろ!」「ウイルス感染なんです!」などの言葉から察するに、
硝子の聴覚障害の原因はほぼ先天性風疹症候群とみて間違いありません。
風疹について
風疹とは
「先天性風疹症候群」について解説する前に、そもそも風疹という病気がどういうものなのかを解説しましょう。
風疹とは、風疹ウイルスを原因として生じる感染症です。
症状としては「発熱」「体中の発疹」「リンパ節の腫れ」があります。
これは麻疹と特徴がよく似ているものの、麻疹に比べると軽症なことが多いため「三日はしか」と呼ばれることも多いです。
風疹は数千人に1人ほどの頻度で急性脳炎を引き起こす等、重症化することがあるものの、
すごーくざっくり言えば体にブツブツができる風邪のような感じで、予後はそれほど悪くありません。
問題になるのは妊婦さんが風疹に感染してしまった場合です。
先天性風疹症候群とは
妊婦さんが風疹に感染してしまった場合、赤ちゃんが「先天性風疹症候群(CRS)」という先天的な異常を起こす病気を発症することがあります。
この病気は妊娠初期であればあるほど発生しやすく、しかも重い症状が出やすい傾向があります。
母体が風疹に感染した場合の発生頻度は妊娠1か月で50%以上、妊娠2か月で35%、3か月で18%、4か月で8%程度とされています。
先天性風疹症候群の三大症状と呼ばれるのが「白内障」と「心奇形」と「難聴」ですね。
この三つの症状以外にもいくつかの症状がありますが、
これらのうち、どの症状がどのくらいの強さで出るかは人によって異なります。
三大症状のうち「白内障」と「心奇形」は、特に妊娠12週(3か月くらい)までの胎児感染で発生しやすく、それ以降では比較的起きにくいとされています。
しかし「難聴」に関しては妊娠24週(6か月くらい)の感染でも出現することがあります。
そしてこの先天性風疹症候群ですが、ひとたび発症すると根本的に治療する手段は存在しません。
2012年~2013年にかけては全国的に風疹が流行し、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されましたが、そのうち11人は生後1歳3か月までに亡くなっています。
よって、何よりも大切になるのが「予防」というわけですね。
具体的に言えば風疹のワクチンです。
風疹抗体と風疹ワクチン
そんな風疹ですが、現在の日本では麻疹と風疹の混合ワクチンによる定期接種(法律で接種が勧められており、無料で受けられる)が行われています。
これを適切に接種していれば風疹に対する抗体が生み出されるため、風疹に罹患するリスクを大きく下げることができます。
しかし抗体のつきやすさ・抗体が失われる時間にはかなりの個人差がありますし、
そもそも年代によってはワクチンを適切に接種できていない人が日本には多く存在します。
そのため、妊娠初期では必ず風疹の抗体価(抗体の量)を測定することが推奨されています。(妊婦健診でほぼ自動的にやってくれます)
もし抗体価が十分でなかった場合、人ごみを避けてもらったり、ご家族へのワクチン接種を検討してもらったりという対応が必要になってきます。
また、ワクチンには妊娠中にも打てるワクチンも多く存在しますが、
風疹ワクチンは妊娠中には打ってはいけないタイプのワクチン(めちゃくちゃ弱らせた風疹ウイルスを材料にしているため、感染性は弱いが赤ちゃんには感染してしまう可能性がある)なので、
抗体価が低い妊婦さんは出産後に風疹ワクチンを打って頂く必要があります。
なお、インフルエンザワクチン・コロナウイルスワクチンは妊娠中に打てるワクチンです。
と言うより、私の考えとしては妊娠中にこそ打つべきワクチンです。
その根拠についてはこちらの記事をご覧ください。
結局、妊娠中にコロナやインフルのワクチンは打つべき?(2024年10月改訂)
硝子の母が風疹に感染した理由は?
さて、ここで気になるのは硝子の母・八重子は適切にワクチンを接種できていたのか?という疑問です。
詳細は後述しますが、風疹のワクチンを適切に接種できていたかどうかは生まれた年によってかなり変わってきます。
八重子の生まれた年は作中で不明ですが、年齢だけは判明しています。
41話で44歳の誕生日を祝われていますね。
えっ44歳???
娘ふたりを女手ひとつで育てた壮絶な人生でこの美貌???
というのはさておき、将也・硝子の高校3年生の夏休みで八重子が44歳だということは分かりました。
ならば『聲の形』の舞台となった年代はいつなのか?という問題が浮上してきますが、これは明言されていません。(少なくとも私が調べた限りでは)
数少ない手掛かりが、将也が自殺を決意する直前にちぎったカレンダーです。
4月が火曜日から始まっていますね。
『聲の形』は元々、2008年の週刊少年マガジン新人漫画賞入選作品です。
(作品の内容が内容だけに雑誌掲載は2011年になりましたが)
その後、2013年に週刊少年マガジンにリメイク版の読み切りが掲載され、2013~2014年にかけて連載が行われました。
この時期の周辺で、4月が火曜日から始まっているのは2008年か2014年です。
『聲の形』にはスマホがばんばん登場しますから、現実世界とリンクしているとすれば作品の舞台は2014年と考えるのが自然でしょうね。
よって、八重子は2014年の夏で44歳になった…つまり、
八重子は1970年の夏に生まれた確率が高いと言えます。
風疹ワクチンの接種が行われていなかった年代
さて、何故こんなストーカーまがいの手法で八重子の生まれた年を特定する必要があったのか。
それは先程も述べた通り、風疹の予防接種は年によってばらつきがあるためです。
では、具体的に年代ごとに見ていきましょうか。
このブログの読者の皆様も、ご自身がどこに当てはまるかチェックしてみて下さい。
①1962年4月1日以前の生まれ
ここに該当する方々は風疹予防接種が始まる前に生まれた方々です。
完全ノーガード時代なので小児期に自然に風疹に感染していた可能性はありますが、本当に感染していたかどうかは分かりませんし、
感染していたとしてもその時の抗体が今も残っているかは不明です。
特に妊娠の可能性がある娘さんやお孫さんと接する機会が多い場合は風疹抗体の測定と、抗体が少ない場合はワクチン接種をお勧めします。
②1962年4月2日~1979年4月1日生まれ
ここに該当する女性の皆様は中学生の時に学校で集団接種が行われていました。
しかし男性には接種が行われていません。
そのため、ここに該当する男性は風疹ワクチンを接種していないが周囲の女性は接種済みということになり、
風疹に曝露される機会も少ないため、ぶっちぎりで要注意の年代です。
風疹の患者数が最も多いのは、この年代の男性だとされています。
しかもこの年代の男性は、ちょうど娘さんが妊娠されることの多い年代でもありますね。
これをカバーするために、厚生労働省から無料で風疹ワクチンを接種できるクーポンが配られています。
2024年度まで接種可能ですので、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認下さい。
ちなみに、1970年生まれとみられる八重子もこの年代に該当します。
この責任押し付けクソ男がワクチン未接種だったのは年代的に仕方がないとして、
八重子が妊娠中に風疹に感染してしまったのは何らかの理由でワクチン接種の機会を逃したか、あるいは抗体がつきにくかったものと推測されます。
③1979年4月2日~1987年10月1日生まれ
ここに該当する方は男女ともに要注意です。
この年代では男女ともに風疹のワクチン接種が始まりましたが、学校での集団接種ではなく個別で医療機関に出向いて受ける形式でした。
そのため、男性の接種率は低かったですし、女性の接種率も②の年代に比べて下がりました。
輪をかけてまずいのが、接種する機会も1回だけだったため時間の経過とともに抗体価が低くなることが多くありました。
(風疹は1回接種だけだと抗体がつきにくいケースがしばしばあるため、2回接種が基本です)
④1987年10月2日~1990年4月1日生まれ
ここに該当する方も男女ともに要注意です。
この年代は男女ともに幼児期に1回接種する機会がありましたが、接種率は高くありませんでしたし、
接種も1回だけだったので現在は抗体価が低くなっている可能性があります。
⑤1990年4月2日以降の生まれ
ここにきてようやく2023年現在と同じ接種体制が整いました。
この年代では1歳と小学校入学前に2回接種が行われているため、風疹の抗体を十分に持っている確率が比較的高いです。
これから妊娠を考えている人・その家族はどうする?
以上を踏まえた上で、これから妊娠を考えている方の風疹への対応について説明していきましょう。
まず、妊娠を予定している女性やそのパートナーに対しては、多くの市町村から風疹の予防接種や抗体検査の費用が助成されています。
風疹のワクチン接種は本来数千円~1万円くらいかかるのですが、これが超格安またはタダで受けられますので、
妊娠を考えていらっしゃる方々は「自治体の名前 風疹」で検索してみて下さい。
1990年4月1日以前に生まれた方は特に強くおすすめです。
そして、既に成人年齢に近いお子様がいらっしゃる読者の皆様も、抗体測定とワクチン接種がおすすめです。
こちらは自費になりますが、数千円でお孫さんの命と健康が少しだけ守られると思えば安いものです。
繰り返しになりますが、1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性は特に要注意です。
ぜひ一度、風疹ワクチンのクーポンについて調べてみて下さい。
硝子が3歳まで聴覚障害が判明しなかった理由
これはちょっと余談になりますが、硝子が聴覚障害を持っていることが判明したのは3歳の時です。
胸糞クソ親父の言う通り、さすがに発見が遅すぎですね。
八重子がわざと黙っていたわけではないことは読者視点では確かだと言えますが、
硝子は補聴器を使用してもなお十分な発語や聞き取りが難しい状況です。
これは「高度難聴」(聴力レベル70dB以上)に該当すると推察されます。
難聴に対する治療介入は脳が発達する前の早い段階であればあるほど良いので、
現在では生後数日で聴力の有無を簡易的に検査する「自動聴性脳幹反応(AABR)」が広く行われています。
これは赤ちゃんにヘッドホンで音を聴かせて脳波の反応をみるという検査です。
(とはいえ紛れも多いので、反応がうまく出なかった場合に必ずしも難聴であるというわけではなく、再検査が必要です)
日本でこの検査が始まったのは1998年以降、一部自治体から徐々に広まったものですので、
2014年時点で高校3年生の硝子はAABRをギリギリ受けられていなかった可能性が高いです。
しかし、硝子ほどの高度難聴であれば呼びかけに反応しなかったり単語を喋らなかったりと3歳までに気付くべきタイミングは確実にあったはずであり、
八重子やクソ旦那もさることながら、乳幼児健診をした小児科医はどういう判断をしていたのか実に気になるところです。
風疹の抗体がつきにくい人
さて先述した通り、風疹の抗体価が低かった妊婦さんには産後にワクチンを接種して頂くことをお勧めしています。
しかし、実際に産婦人科医として働いていると「前回の産後にもワクチン打ったのに、今回の妊娠初期検査でまた抗体価が低かった」という妊婦さんに多く出会います。
実のところ、この場合にどう対応すべきかという問題はけっこう難しいです。
現在の産婦人科ガイドラインでは「抗体価が低ければ(回数の制限は特になく)産後に風疹ワクチン接種を勧める」となっており、多くの産婦人科でこの対応がとられています。
しかし、そもそも風疹の発症予防としては1歳以降で2回接種できていれば抗体保有率が99%になるため、3回以上の接種を行う必要性については疑問視する声もあります。
例えば、厚生労働省による『医療関係者のためのワクチンガイドライン 第3版』では「1歳以降で確実に2回接種したのであれば、抗体価の基準を満たすまで接種を受け続ける必要はない」という旨の結論が出されています。
とはいえ、先に挙げた通り1990年4月1日以前に生まれた方は風疹ワクチンの接種をしたことが無いか、していても1回だけである可能性があります。
1990年4月1日以前に生まれた方が第1子の出産後にワクチンを打ったとして、これは人生で1回目なのか、それとも2回目以降なのか?というのは意外と難しい問題です。
30年以上前の母子手帳からこれを読み解くのは意外に困難ですし、人によってはきちんと記録をつけていない場合もあるでしょう。
ご両親がそうとう几帳面な方でない限り、ご自身が今までに風疹ワクチンを打ってきた回数を100%の自信を持って答えられる人はなかなか居ないと思います。
よって、確実な2回の接種記録がない限りはワクチンを接種すべきです。
それに、ワクチンを2回打ったことがある方でも、体質的に抗体がつきにくくて次回の妊娠時に抗体価が危険な値まで下がってしまうケースもわずかながら考えられます。
そういった事情もあって現時点での産婦人科ガイドラインでは接種の回数制限が特に設けられていないわけですね。
以上を踏まえた「前回の産後にもワクチン打ったのに、今回の妊娠初期検査でまた抗体価が低かった」という妊婦さんへの私の対応としては、ワクチンの接種歴を尋ねた上で、
「産後に風疹ワクチンを打つことをお勧めしますが、生涯で確実に2回以上打っているのであれば風疹の予防効果は高いので、検査値を気にしすぎる必要はないですよ」と伝えるようにしています。
『コウノドリ』
最後にこちらもご紹介しておきましょう。
産婦人科漫画の大定番『コウノドリ』です。
『コウノドリ』では4巻収録のTRACK14「風疹」にて、先天性風疹症候群が題材として取り上げられました。
ここで登場したのは先天性風疹症候群に罹患した女の子・ハルカちゃんで、
彼女は聴覚障害こそ強くないものの、白内障による弱視と心奇形を患っていました。
実際のところ、先天性風疹症候群により出現する症状は人それぞれで差があり、
必ずしも硝子のように聴覚障害が出現するとも限りません。
『コウノドリ』の「風疹」はこれから妊娠を考えようとしているご夫婦には是非読んで頂きたい作品ですね。
全3話でさくっと読めるので、未読の方はどうぞ。
まとめ
というわけで今回は先天性風疹症候群について解説しました。
我々産婦人科医が風疹に対して思うことを鴻鳥先生が代弁してくれていますが、
本来は注射1本で防げたはずの障害であり、医療者として口惜しい存在ですね。
風疹に対する正確な理解はまだまだ十分に広まっているとは言いがたい状況ですし、
この機会にその存在だけでも覚えておいていただければと思います。
また、冒頭で述べた「TORCH症候群」についてはまた機会があれば別の病気も取り上げてみたいと思います。
ぶっちゃけ風疹と梅毒以外はなかなか良い題材となる漫画が見つからないので難しいですが…
あとは繰り返しになりますが硝子がとにかく可愛いので『聲の形』を読むんだ。
みんな。さあ早く。
以下、関連記事です。
サイトメガロウイルスに関してだけはマシュマロまとめ記事で解説したことがあります。
マシュマロの回答まとめ vol.4「妊婦さんの疑問 上級編」
先天梅毒の解説記事です。
インフルエンザ・コロナウイルスワクチンに関する解説記事です。
結局、妊娠中にコロナやインフルのワクチンは打つべき?(2024年10月改訂)
ほんのりビターな青春漫画『オナマス黒沢』はこちらから。
【お勧め漫画紹介】今すぐ全編無料で読めるおすすめWEB漫画3選『ジエイのお仕事』『琴浦さん』『オナマス黒沢』
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現在、ニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を配信中です。
「男女の産み分けってできるの?」「逆子って直せるの?」「マーガリンは体に悪いの?」などの記事を基本無料で公開しておりますので、こちらもお楽しみください。
去年、子供を出産した者です。
1990年11月に産まれました。
妊婦検診で風疹が引っかかり
最近の感染かどうかを調べる
再検査の結果が出るまで本当に生きた心地がしませんでした。
すぐに母に連絡を取り、母子手帳を写真撮って送ってもらいましたが手書きの接種歴で信憑性があるか疑問でした。
既往歴に母の手書きで風疹と書いてましたので抗体が強く残ってるだけだと信じるしかありませんでした。
直近数年の風疹症の出生児を調べたり
感染者を調べたり
まさか、まさかでした
おそらく高校3年にMRワクチンを
特例で打っています。高校から連絡をもらい集団ではなく任意で個人病院に行き無料で打ちました。打った記憶はわずかながらありましたがそれが何だったか思い出せず当然に母子手帳にも記録を残していませんでしたので検索しました。
結果的に、直近の感染でないことがわかり
子供は元気いっぱいに産まれてきました。
先生のブログを読んでいたらもう少し不安が取れていたかもしれません。そして思ったよりシチュエーションに直面しないと考えないものですね。
このブログを読まれた妊婦さんやこれから妊娠を考えているご夫婦やカップルが、
少しでも安心して妊娠生活を送られることを心から願います。
なひさん、コメントありがとうございます!
そうですね、抗体価が高かった時の対応については今回の記事では割愛しましたが、
この時の対応もなかなか難しいものです。
良いご出産になったようで何よりです。
やっきー先生、いつも記事を興味深く拝読させていただいております。
この度先生の解説をリクエストしたい作品・シーンと出会いましたため、憚りながらコメントを残させていただきます。
内容は漫画『K2』の369話「産声」から377話「志を継ぐ者」、いわゆるティガワール編に登場した”EXIT手術”についてとなります。
先天的かつ致命的な機能不全から新生児を救命するべく、胎盤との接続を維持したまま新生児に外科的治療を施す2000年登場の手術方法として登場しておりましたが、「現代でもこの治療法が必要となる事例は少なからずあり得るのか、或いは何らかの理由で導入されていないのか」「前提となる『胎児の先天的障害』についてはここまでハッキリと分かるものなのか」など、”生まれ得なかった子の救命”という特殊性から諸々気になっております。
先生の知見を以て更なる解説を頂けましたら大変有難いと思っております。
また、開幕となる369話の「(病院搬送を伴わない)死後帝王切開」についても、もしよろしければご解説頂けますと幸いです。
以前記事を拝見した『TOUGH』での「死戦期帝王切開」とはその主要目的が必ずしも一致しない、という点までは推察致しましたが……
以上ご一考いただけますと幸いです。今後とも先生の記事を楽しみにしております。
やっきー先生、いつも興味深くブログを拝読しております。
妊娠15週の者です。先日の妊婦健診で風疹抗体が若干少ないことで悩んでおりました。今まで2回ワクチンを接種したのに何故!?記録を残していた几帳面な両親もすごく心配していましたが、ブログを読んで安心できました。抗体が付きにくい人も居るのですね。
妊婦生活、まだまだ続きますが先生のブログをお供に頑張りたいと思います!
やっきー先生、いつもブログで勉強させていただいております。
現在妊娠10週なのですが、2回目のワクチンを打って1年での妊娠にも関わらず、妊婦検診で風疹の抗体が低いことに大きくショックを受けておりました。
そこから風疹のことばかり考えて悩んでいたのですが、先生のおかげで気が楽になりました。
本当にありがとうございます。
これからも人混みを避けたりマスクをしたり出来ることはしながら、頑張ります。
初めまして。
生後8カ月で動脈管開存、3歳のときに重度難聴が判明しました。
現在、40代後半ですが、数年前に動脈管開存と難聴なのは、先天性風疹症候群が原因だろうと言われました。