こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
この記事の更新日は2022年12月29日。
そう、一般的な企業では年末休みが始まる日ですね。
もちろん私(産婦人科医)にそんなものは存在しないのですが、
せっかくの年末ですし、空いた時間に読める完全無料のおすすめWEB漫画を3作厳選してご紹介します。
そんなわけで本日は『ジエイのお仕事』『琴浦さん』『オナマス黒沢』をご紹介しましょう!
『ジエイのお仕事』
『ジエイのお仕事』とは、ギャグ漫画の神様のアナルから生まれた天才・火鳥先生による自衛隊紹介マンガです。
火鳥先生は、元々は東方Projectの二次創作で活躍されていました。
美少女キャラクター揃いの東方Projectの二次創作で名声を上げていただけあり、女性キャラクターの可愛さにも定評があるのですが、
火鳥先生の真骨頂は常識外れの発想力に基づく類まれなるギャグセンスにあります。
そのギャグセンスは一部(私とか)から絶大な人気を得ていたのですが、
何がどう間違ったのか自衛隊の広報マンガとして火鳥先生が採用されるに至ったようです。
そこの経緯はともかく、『ジエイのお仕事』は全3話で全部合わせても30ページと非常に読みやすく、そして抜群に面白い作品です。
30ページの漫画に細かい説明をするのも野暮ですし、とりあえず読んでみてください。
それにしても、当時知る人ぞ知るレベルだった火鳥先生を起用した岡山地方協力本部の広報さんの眼力は素晴らしいです。
漫画雑誌の編集に就職したら歴史に残る漫画を作れるんじゃないでしょうか。
火鳥先生のその後
本作以降の火鳥先生は同人活動と並行しつつ、徐々に商業雑誌に活動の場を移しています。
現在はアダルト漫画雑誌なのにお色気シーンが全くない、
しかしコアなファン(私とか)の心を掴んで離さない作品をいくつも発表されています。
そんな彼の才能を世に知らしめた作品と言えば『ジエイのお仕事』、
そして何といっても火鳥先生の短編集『ひとりあそび』に収録された『後崎さんシリーズ』でしょう。
『後崎さんシリーズ』とは、毎回のように尋常ではない物体を挿入して肛門自慰を楽しむ顔の濃いおじさんこと後崎歩里雄、
そして後崎さんの肛門から抜けなくなった異物を摘出する羽目になる肛門科医・JB先生(本名:弁通寺浄太郎)が織りなすギャグ漫画シリーズです。
彼は2作目にして魔法のランプを挿入するという暴挙に出て、ファンの心を鷲掴みにしました。
ちなみに後崎さんが肛門に挿入した異物としては魔法のランプやビデオテープといった比較的現実的()なものから、オオカミの頭部、七支刀、成人の男女5人、果ては核兵器まで多岐にわたります。
最初は短編集の中の頭のおかしい1作品といった立ち位置でしたが、
あまりの人気ぶりにシリーズ化し、しまいには後崎さんが主人公の単行本が2つも作られるという異常事態に発展してしまいました。
そんな後崎さんオンリーの単行本1作目が『ひとりぷれい』ですね。
火鳥先生のギャグセンスと編集部の綱渡りによりアレやコレやを巧みにパロディしました。大丈夫なのこれ?
そして後崎さんオンリーの2作目『ひとり*遊戯』ではパロディがさらに加速。
もう何でもありです。
そんなわけで、『ジエイのお仕事』を紹介したかったはずなのにいつの間にか後崎さんの紹介記事になってしまいました。
後崎さんのパワー、恐るべし。
『琴浦さん』
気を取り直して、次に紹介するのはえのきづ先生『琴浦さん』です。
えのきづ先生は元々漫画家ではなく、趣味でイラストや漫画をご自身のウェブサイト「ENOKIX」にて公開されていたのですが、『琴浦さん』はその中の一作です。
『琴浦さん』を一言で表すと、高校一年生で情に厚い主人公・真鍋義久と、
真鍋のクラスに転校してきた人の心を読める少女・琴浦春香の二人を取り巻く日常が描かれた漫画です。
ここまではよく見るような設定のラブコメかと思うところですが、
『琴浦さん』をただのWEB漫画と侮ることなかれ。
その面白さが評価されて人気を博し、WEBコミックサイト「マンガゲット」主催の「Manga Of The Year 2009」で最優秀賞を受賞し、
2010年に商業化、2013年にはTVアニメ化も果たしたというWEB漫画界の超エリートなのです。
あの有名な『ワンパンマン』や後述の『オナマス黒沢』等と共に、黎明期のWEB漫画界を発展させた作品の一つと言えるでしょう。
あと何より、えのきづ先生の画力向上に伴って琴浦さんがどんどん可愛くなります。
公式サイト「ENOKIX」では第三部までが公開されていますが、単行本ではその続きが読めますし、
可愛くなった琴浦さんに合わせてしっかり加筆修正されていますので、
無料版が気に入ったという方は単行本もお手に取ってみてはいかがでしょうか。
ちなみに私のような訓練された漫画オタクなら、
WEB発漫画ならではの単行本の激しい修正も楽しめます。
『オナマス黒沢』
本日最後にご紹介するのが、原作:伊瀬勝良先生、作画:横田卓馬先生『オナニーマスター黒沢』です。
タイトルがタイトルなので『オナマス』とよく略されます。このページでも以降は『オナマス黒沢』と表記します。
正直タイトルでかなり損しているタイプの作品ですし、導入からしてあまり上品とは言えない物語なのですが、
その面白さ故に「伝説のWEB漫画」とまで呼ばれる作品です。
原作・作画ともに後にプロになるお二方なのですから、そのクオリティは折り紙付きと言っても良いでしょう。
人には言えない性癖を持つ中学3年生の主人公・黒沢翔と、
同級生からいじめを受けているクラスメイト・北原綾。
この2人を中心として繰り広げられる物語は、誰も見たことのない方向へと進んでいきます。
タイトルから想像できる下ネタギャグ漫画でもなければ、陰湿ないじめを描く漫画でもなく、単純な学園ラブコメでもありません。
『オナマス黒沢』は『オナマス黒沢』としか表現できないのです。
『オナマス黒沢』は「待てば無料」系の漫画アプリでも読めるのですが、
ニコニコ静画ならいつでも無料で全話視聴可能となっています。
ニコニコ静画/動画の視聴には会員登録が必要ですが、GoogleやLINE、Twitterなど大抵のアカウントでもログインできますので、実質誰でも簡単に読めます。
斬新なストーリーは深く心に残りますが、それでいて読後感は意外なほどに爽やかです。
まだ読んだことがない、聞いたことはあるけどタイトルで敬遠していた、という方にはご一読をお勧めします。
小説版『キャッチャー・イン・ザ・トイレット』
ちなみに『オナマス黒沢』は元々、原作の伊瀬勝良先生がネット小説として投稿していたものをコミカライズした作品です。
その原作となる小説を文庫化したものが『キャッチャー・イン・ザ・トイレット!』です。
漫画版では表現しきれなかった黒沢の微妙な心情がきっちりと描かれており、『オナマス黒沢』が気に入った方にはこちらもお勧めです。
伊瀬勝良先生・横田卓馬先生のその後
『オナマス黒沢』で多くのファンを得た原作の伊瀬勝良先生・作画の横田卓馬先生は、その後商業誌へ活動の場を移しました。
まず、横田卓馬先生は週刊少年ジャンプで『背すじをピン!と 〜鹿高競技ダンス部へようこそ〜』や『シューダン!』を連載されていたので、ご存知の方も多いかもしれません。
伊瀬勝良先生はその後、月刊アクションで『ラストメンヘラー』を連載されました。
そして両先生が再びタッグを組んだ作品が、現在連載中の『すべての人類を破壊する。それらは再生できない。』です。
実在のカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」に熱中する主人公・加納はじめ、ヒロイン・沢渡慧美によるラブコメですが、カードゲームは話のとっかかりに過ぎません。
カードゲームを知っていなくても純粋にラブコメとして楽しめますし、知っていればなお楽しめます。
1998~2000年頃の世相を振り返るのにも丁度良い作品ですので、こちらも一度手にとってみてはいかがでしょうか。
ちなみにマジック・ザ・ギャザリングが趣味の私にとっては刺さりまくる漫画です。
まとめ
以上、『ジエイのお仕事』『琴浦さん』『オナマス黒沢』の紹介でした。
作品のクオリティを考えると、無料で読めるのがおかしいほどの名作揃いです。
年末年始でお時間のある時には是非読んで頂きたいですし、
むしろ私は時間が無くても読みたいくらいの傑作です。
実際にこの記事を書くにあたって3作品を復習した結果、見事に睡眠不足になりました。
そもそもこの記事自体、お勧め無料WEB漫画5選にしようとしていたのですが、つい読みふけってしまい時間が無くなったので3選に削ったほどです。
3作品全部、面白すぎるのが悪いんや…
以下、関連記事です。
私の好きな漫画だけを100作解説した記事です。
世界一漫画が好きな産婦人科医が選ぶ、おすすめ漫画ベスト100:前編(100位~51位)
『オナマス黒沢』は、物語の構造的に『聲の形』とよく類似しています。気に入った方はこちらもお勧めです。
やっきー先生には人間の肛門の限界について医学的視点から解説して欲しいです!
コメントありがとうございます。
なるほど、肛門の限界は確かに興味深いテーマですね。いつか取り上げてみるかもしれません。
それはそうと後崎さんを目指すのは世の中にいるどこかのJB先生が現実逃避してしまうのでお勧めできかねます。