こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
本記事の公開から遡ること約半年、
2022年12月7日に当ブログの大きな転換点となる記事を公開しました。
それがこちら、『ふたりエッチの優良さんが不妊症なのかを検証する記事』です。
長年の疑問に終止符!『ふたりエッチ』優良さんは不妊症なのか?
この記事は恐ろしい程バズり、当ブログの知名度を大きく押し上げてくれました。
しかし、私の心にずっと引っかかっていたことがありました。
私は生殖医療(不妊治療)の専門家ではないのです。
一応、私も産婦人科医として最低限の知識はあるものの、
生殖医療は産婦人科の中でもかなり専門性の高い分野であり、
日常的に卵子や精子と真剣に向き合っている生殖医療専門医の先生には知識も経験も遠く及びません。
うーむ…この記事を補足してくれる生殖医療専門医の先生はどこかに居ないものか…
居るわけないよな…こんなことに時間を使ってくれる先生なんて…
やっきー先生、ちょっといいですか?
おや、ツイ友で生殖医療専門医のTatsu先生。どうしました?
ぜひ先生に読んで頂きたいものがありまして。
?
『ふたりエッチ』の記事について私なりの補足をした5000字のレポートを書きました。
神?????
というわけで本日の記事は、初のコラボ企画。
「『ふたりエッチ』を不妊治療の専門家と一緒に読み直してみた」をお送りいたします。
なお、こちらの記事は前回の『ふたりエッチ』の記事を読んでいることが前提となっていますので、未読の方はそちらを先にご一読下さい。
目次 非表示
人物紹介
Tatsu先生
生殖医療専門医として医学博士号まで取得しているガチのマジの不妊治療の専門家。
Tatsu Ogawa先生(@Tatsu_Reprod)としてTwitter界隈では有名で、不妊治療に悩む夫婦の悩みに紳士的に答える姿は生殖医の鑑。
アイコンは自画像をAIで美化しているらしいが、会ってみると素の状態がそもそもイケメンである。
さわやか親切イケメン医学博士というラーメンのトッピング全部乗せを擬人化したような人。
やっきー
私こと産婦人科医・やっきー。
約一か月にわたる『ふたりエッチ』漬けの生活を経て消えないトラウマを抱えてしまった。
親指の肉球が特にプニプニしているのが自慢。
『ふたりエッチ』を読み直す
というわけでTatsu先生、本日はよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
それにしても先生、なぜわざわざこんなレポートを書いて下さったのでしょうか…?
私、先生のブログのファンなんですよ。
いつも楽しく拝見していて、特に『ふたりエッチ』の記事が秀逸で大好きです。
嬉しいです…レポートの内容が凄すぎて「あとで原稿料貰うね」と莫大なお金を請求されるのかと思い、通報ボタンを押そうとしてました…
スパム扱いされなくてよかったです。
あ、言っておきますがお金はないですよ!このブログも運営費カツカツでやってますからね!
GoogleやAmazon、楽天市場といった広告主様のおかげで多少は運営費を賄えていますが!
こういう広告とか!!!
まさか対談の最中に広告を貼られるとは思っていませんでした。
読者の皆様と広告主様のお陰でこのブログの運営が成立しております!
いつも本当にありがとうございます!
なお不正クリック防止のため、広告リンクを一定時間内に複数回クリックするとアクセスが制限されるよう設定されていますのでご注意下さいね!
何だこの宣伝に対する貪欲さは…帰りたい……
というわけで、Tatsu先生も当ブログの広告主様の宣伝に快く承諾して下さいましたので、
さっそく本編を見ていきましょう。
杏子と不妊治療の歴史
Tatsu先生、最初に気になったところはどこですか?
そうですね…やはり、生殖医療専門医としては杏子がとにかく気になります。
杏子というと、真の従姉妹で産婦人科医の大宮杏子ですね。
彼女の初登場話である40話をちょっと見てみましょうか。
率直に言うと、杏子の知識や説明の内容はプロとして失格なんですよね。
先生も前回の記事で杏子に対して憤慨されていましたよね?
男性経験がないのに背伸びをしてるところが萌えるので許しました。
そうですか。
具体的に、杏子のどこが気になったのでしょう?
やはり巨乳でしょうか。
そこじゃないです。
それはともかく、まずは杏子の産婦人科医としての経験にスポットを当ててみたいと思います。
産婦人科医としての経験ですか?
杏子は初登場時で30歳という記述がありますが…
そうですね。
進学・進級・国家試験合格が全てストレートだと、医師免許の取得は24歳が最短です。
この場合、30歳の杏子は医師6~7年目ということになります。
ふむふむ。
1998年だと現在のような臨床研修制度が無いので、産婦人科医としても6~7年目ということになりますね。
当時の産婦人科認定医(今で言う専門医)は5年間の産婦人科研修を終えると受験資格が得られます。
ということは、産婦人科医6~7年目の杏子は産婦人科認定医を得た年か、その翌年くらいの医者ということが分かります。
なるほど!まだまだ若手のポジションですね。
次に、1998年という時代背景について考えていきます。
ところで、前回の記事で不妊治療のステップについて書かれていましたよね。
あれ、すごく分かりやすかったですよ。
①原因検索:子宮、卵管、排卵、精子などに異常がないかを調べる
②タイミング法:ホルモン値等から正確な排卵日を推定する
③排卵誘発:排卵誘発剤を使い、たくさん排卵させて妊娠率を上げる
④人工授精:精子を子宮の中に注入する
===超えられない壁(妊娠率も値段も一気に高くなる)===
⑤体外受精・胚移植:卵子を取り出し、培養液で受精させて子宮に戻す
⑥顕微授精:極細の注射器で卵子に精子を1個注入し、授精させて子宮に戻す
生殖専門医の先生にそう言って頂けて嬉しいです!
うまく説明できる自信が無かったので生殖医学会のホームページからパクってきた自信作です!
それは聞きたくなかった。
それはさておき、先生は⑤「体外受精」の手前に「超えられない壁」を設けていますね。
そうですね。
我々のような殆ど不妊治療に携わらない産婦人科医からすると、⑤「体外受精」と⑥「顕微授精」に関しては不妊治療専門医の専売特許というイメージです。
実際、⑤「体外受精」と⑥「顕微授精」以外は以前から普通のクリニックでもそれなりに行われていました。
例えば、④「人工授精」が世界で初めて行われたのは1799年で、日本では1891年とされています。
それに対して⑤「体外受精」が日本で初めて行われたのは1983年で、⑥「顕微授精」は1994年なんですよ。
なるほど。歴史の深さが全く異なりますね…!
ここで『ふたりエッチ』の時代背景に戻りますが、
1998年時点での生殖補助医療実施施設数は151施設でした。
2023年現在は600超ですので、今の4分の1しか無かったのです。
とすると、生殖補助医療(体外受精や顕微授精)を受けられる機会は今よりずっと少なかったわけですね。
そういうことになります。
必然的に、杏子が不妊治療のことを勉強する機会もあまり無かったでしょうね。
ふむふむ、よくわかりました。
ところでTatsu先生。
はい。
先生の考察が深すぎて私の立場がないのですが。
さては私のブログを乗っ取ろうとしていらっしゃいますね?
いや、生殖医療専門医としての知見を述べたかっただけで…
こうなったら死なばもろとも、先生の勤務先に身に覚えのない分娩報告書を大量に送りつける所存です。
リアルに面倒くさいのでやめてください。
※生殖補助医療を行った施設には妊娠・分娩経過に関する報告義務が課せられています。これをすると余計な仕事が増えてTatsu先生が死にます。
舞台背景
気を取り直して、次に杏子が所属している「町河産婦人科医院」の描写を見てみましょう。
町河産婦人科医院は……44話に全体像が写っていますね。
それです。
これを見る限り、町河産婦人科医院は4階建ての単科クリニックのようですね。
そうですね、少なくとも総合病院ではなさそうです。
産婦人科の単科クリニックで4階建て…ということは、
町河産婦人科医院はおそらく分娩がメインでしょうね。
(なにこの『ふたりエッチ』に対する考察の深さ…怖い…)
当時としては生殖補助医療はかなり最先端の治療で、大学病院など一部の専門機関で行われるに過ぎないものでした。
このことからも、杏子が不妊治療に明るい可能性は低いと考えて良いでしょう。
もちろん、施設や医局の強み次第なところもあるので一概には言えませんが…
怖い!!!
どうしました?
いえ、何でもありません。
あとで一応、清めの塩を買っておこうと思いまして。
?なるほど。
あとは、診察室に出てくる超音波機器も興味深いですね。
超音波機器…このシーンですね。
画面は昔ながらの箱型のブラウン管で、
経腟プローベも今と違ってストレートのように見えます。時代を感じますよね。
あ、それは確かに。ブラウン管の古い超音波機器、今でも病院の隅っことかに置いてありますよね。
もう今じゃほとんど薄型の液晶画面になりました。
高価なものですし、「新しいやつが壊れた時の緊急用」として使えなくはないから捨てづらいですよね。
わかります。昔のHなビデオとかも普段観ることは無いんですが、「また観るかもしれない」と思うと捨てにくいですからね。
それとは全然違う話ですが、もうそれでいいです。
排卵日と性交渉の関係
その後、168話で真と優良さんは子作りを真剣に考え始めることになります。
これ以降は避妊をしていないので、不妊治療の観点では『ふたりエッチ』における大きな転換点ですよね。
となると、生殖医療専門医であるTatsu先生の本領発揮ですね。
Tatsu先生から見て、これ以降で気になる描写はありますか?
実は、優良さんは排卵日と受精に関して勘違いをしている疑惑があるのです。
227話を見てみましょう。
227話といえば、『排卵日にあわせて「子作りデー」をつくっています☆』というシーンですね。
ここで優良さんは「今夜から3日間連続でHすれば妊娠の可能性高いです!!」と言っています。
次に297話を見てみましょうか。
297話では「今日はたぶん排卵日です」「え!?じゃあ何回エッチしてもいいの!?」というやり取りがあります。
実際には最も妊娠が成立しやすいのは、
排卵時に既に精子が「卵管膨大部」に居て、卵子を待ち構えている状態なのです。
つまり、最も妊娠しやすいのは排卵の前日か前々日、ということになります。
ということは、優良さんは227話では適切なことを言っていたのに、
297話ではちょっと勘違いし始めているわけですね…?
そう、そして「排卵日にセックスする方が良い」という話のソースはどうやら杏子のようです。
ここでさっそく間違った知識を伝えてしまっているわけですね。
おおっと…ここで杏子が絡んでくるわけですね…?
…いや、ちょっと待ってくださいTatsu先生!
杏子は40話で「子作りSEXは排卵日の前日くらいからすること!!」と言っていますよ!
あれ?確かに……
「前日くらいから」という表現の曖昧さはともかく、この時点での知識としては間違っていないようです。
なぜ途中から間違った知識にすり替わってしまったのでしょうか…
うーん、なぜでしょう…
………今、ちょっと仮説を立ててみたのですが。
はい。
40話では真の母から「妊娠の指導に行ってくれ」と頼まれて真のもとを訪れたので、不妊治療の知識をあわてて仕入れてから臨んだのではないでしょうか。
ほう?
ちょっと時間が経って忘れた頃、不意に優良さんから聞かれたので慌てて「排卵日にセックスするといい」と適当に答えてしまったのでしょう!
ああ……なんか、すごくありそう。
どちらにせよ、杏子は妊活に悩む女性へ間違った知識を吹聴してしまう残念な医者であることに変わりはないですね。
Tatsu先生、AKK(アンチ杏子過激派)ですね…
AKK48のセンターですね…
突然謎のグループのセンターに任命されたことに戸惑いを隠せませんが、
真剣に不妊治療と向き合う人間として、杏子の姿勢は擁護できるものではないですからね。
逆に全巻すみずみまで読んだやっきー先生から見て、杏子を評価できる点はありますか?
おっぱいですが?
……私、真剣に話しているのが段々アホらしくなってきたんですが。
ええ!?あんなに分厚いレポートを書いて下さって、
対談もこんなにノリノリで引き受けて頂いたのに!?
そうですよ!好きなブログで対談ができると思って、期待に胸を膨らませていたというのに…
おっぱいだけに?
やかましいわ。
体外受精と顕微授精
続いて、真と優良さんは「不妊治療」というものに対して少しずつ向き合っていく描写があります。
そうですね。
生殖医療専門医として気になるのは、やはり302話ですね。
ああ…このシーンは私も前の記事でボロクソに言ったところです。
特に何の検査もしていない真に対して、顕微授精という最高額の治療をいきなり提示したら二の足を踏んで当然ですからね。
やっきー先生が仰る通り、ここは医学的に考えるとまずは検査が優先です。
特に卵管通過性と精液検査は必須ですね。
ですが、せっかくなのでこのシーンが描かれた時代背景についても考えてみたいと思います。
時代背景、ですか?
えーと、302話は…ヤングアニマル増刊Arasiの2006年2号掲載ですね。
当時の日本産婦人科学会の調査によると、2006年の生殖補助医療の実施施設数は530施設にまで増えているんですよ。
なんと!
1998年時点では151施設でしたから、ものすごい伸び方ですね!
そうすると、必然的に「体外受精」という言葉は嫌でも杏子の耳に届いたでしょうね。
しかし、きちんと勉強したわけではないので体外受精と顕微授精がごっちゃになっているんでしょう。
※体外受精と顕微授精の違い
体外受精・胚移植:卵子を取り出し、培養液で受精させて子宮に戻す
顕微授精:極細の注射器で卵子に精子を1個注入し、授精させて子宮に戻す
そもそも杏子は「顕微受精」と言っていますが、正しくは「顕微授精」ですし。
「受精」は自然に行われる卵子と精子の結合で、「授精」は人工的に卵子に精子を入れることなので明確に区別されます。
なるほど…適当に聞きかじった知識を患者さんに披露してしまう、ダメ医者の典型のようなことをしてますね…
一応、これまでに排卵日を推定できているということは、優良さんの月経周期は順調で排卵もできているものと思われます。
となると、やはり何よりも必要なのは検査ですね。
なるほど。
ところで話は変わるんですが、Tatsu先生。
やっきー先生が話を変えると嫌な予感しかしませんが。
359話で今年の抱負を話す優良さん、可愛すぎませんか?
……やっきー先生、私は真剣に不妊治療について話しに来たんです。
はい。
優良さんは私の嫁です。異論は認めません。
ですよね!!!
ダメ産婦人科医・杏子
杏子が医者として最悪なシーンは何といっても410話ですね。
不妊に悩む優良さんが、杏子の病院へ相談に行ったシーンですね。
私が杏子のことを嫌いになった場面です。
ここで杏子が話しているアドバイスは一般の方が読む妊活雑誌未満の情報ですよ。
排卵のことをやたらと気にしていますが、優良さんはきっちり排卵日を予測できている様子ですから、排卵障害の可能性は考えにくいです。
月経不順の描写や、無理なダイエットをしていた描写もありませんし。
ああ…確かに、私はその観点での考え方はしていなかったですね。
さすが不妊治療のプロだ…杏子とは雲泥の差だ…
先生、さっきから段々杏子のこと嫌いになってきてませんか?
前の記事の途中から杏子にイライラしてきた感情が蘇ってきました。
ですよね。
ダメ看護師・小平さん
不妊治療関連の登場人物といえば、462話に出てきた看護師の小平さんがいますね。
彼女はもしかしたら作中で一番ヤバい人間かもしれません。
で、ですよね。
22歳ということは、看護師として1~2年目の駆け出しです。
そのくせ不妊治療の統計データを道端で語り出すヤバいキャラで、日頃の看護師としての働きっぷりも心配ですし、こんな看護師しか紹介できない杏子の知識と人脈の浅さも推して知るべしです。
ごもっともです。
ところでTatsu先生、このあと462話で小平さんがどんな行動に出るかご存知ですか?
これ以上にヤバい奇行があると???
個室バーで真のペニスをこねくり回します。
変態だーーーー!!!
小平さんは502話にも登場して、
「妊娠力を上げるために」「乳腺を伸ばすストレッチ」という珍妙な指導をしていました。
清々しいまでに医学的根拠ゼロですね。
これはもう怪しい妊活セミナーと大差ないです。
その通りです。
しかしTatsu先生、大事なことを忘れていませんか?
?何でしょうか。
この502話では小平さんが妊活中の女性たちに全裸でのストレッチを指示しているわけです。
はい。
私はこの502話を「桃源郷」と名付けました。
次に行きましょう。
不妊症と精液検査
次の大きなイベントとしては、683話で真と優良さんが本格的な不妊の検査に行きましたね。
そうですね、これ自体はすごく良いことなんですが…
とにかく「杏子の動きが遅すぎる」の一言に尽きますね。
この時点で3年間の不妊期間なので、真と優良さんはバリバリの不妊症ですからね。
杏子を批判するのは簡単ですが、ここでさらに時代背景を考えてみましょう。
683話の雑誌掲載はいつでしょうか?
えーと…ヤングアニマル2016年12号ですね。
日本産婦人科学会は、かつて不妊症の定義を「2年間妊娠しない場合」と定めていましたが、2015年に「1年間」に変更したと発表しました。
学会の情報に興味を示さず、新しい知識を得ようともしない杏子ですが、
2015年における不妊症の定義変更はさすがに耳に届いたのかもしれません。
同僚の先生あたりが不妊症の定義変更について話しているのを聞いて、
「あれ?もしかして真と優良さんって不妊症?」という危機感が芽生えてあわてて紹介した…とかありそうですね。
ちなみに683話に出てくる超音波のモニターは薄型画面になり、経腟プローベも現代的な形状になっています。
ブラウン管の超音波が出てきた44話からの作中の時間経過は5年程度といったところですが、技術的には10年以上の変化をしているように見えますね。
子宮卵管造影
そして、杏子が子宮卵管造影検査を勧めた描写です。
何気に杏子が36歳と明言されていて、初登場時から6年経っていることが分かるんですよね…
36歳ということは、産婦人科医として12~13年目でかなり脂の乗った時期です。
30歳の頃も良かったですが、36歳の成熟しつつある女性の魅力も捨てがたい…ということですね?
ちょっと黙っててもらっていいですか。
それはともかく、優良さんが483話で参加した不妊セミナーで子宮卵管造影のことを聞いている可能性は高いと思うんですよ。
確かに。ひと通りの検査や治療についてはセミナーで聞いているはずですよね。
それにも関わらず「それって?」と聞き返した優良さんは、
今まで全く頼りにならなかった杏子をあえて試したのかもしれません。
発想が怖い!!!
穏便に考えるなら、だいぶ前に聞いた話だから忘れちゃっただけかもしれません。
優良さんに限ってそんな人を試すようなことはしない…はずです…たぶん…
Tatsu先生、優良さんはそんな女性ではありません!!!
優良さんは決して人を疑うことをしません!!
うんこもしません!!!
やっきー先生にとっては既に嫁を超越してアイドルになっているわけですね。
禁欲期間と妊娠成立
そんな優良さんですが、子宮卵管造影検査ののち、
一週間の禁欲を経てついに妊娠が成立します。
これはですね…妊娠したのは良いのですが、一週間の禁欲は長すぎです。
週に2~3回射精している方が精子の状態が良いですし、
場合によっては同日2回目の射出精液の方が運動率が良いこともあるんですよ。
そもそも、禁欲によって精液量は増えるかもしれませんが、だからといって妊娠率が上がるわけではありません。
それよりは排卵日に向かって1~2日に1回、性交渉をした方が妊娠率は高くなります。
なるほど…不妊治療の観点では、禁欲に大した意味はないわけですね。
そういうことになりますね。
そういえば前回の記事ではほとんど省略したんですが、
真・優良さん・杏子はけっこう禁欲に頼りがちなんですよ。
と言いますと?
473話で真と優良さんが初めて夫婦そろって杏子の病院を受診したんですが、
ここで杏子から「3日間程度は禁欲してみたら?」と勧められているんです。
そもそも杏子が禁欲を推奨していたことに原因があったんですね…
その後、真は3日間の禁欲に耐え抜きましたが、
優良さんが「せっかくだからもう少し我慢して」と言って延ばした結果、真は一週間の禁欲を強いられます。
しかも結局排卵期ではなかったので無駄打ちだったというオチです。
優良さん、うっかりにも程がありませんか。
排卵日のことは一旦置いておくとしても、
「溜めれば溜めるほど良い」というイメージ先行で医学的に間違ったことをしてしまう、というのは優良さんに限らず一般の方あるあるですよね…
まあ、本来そこは杏子や不妊検査をした時の先生がきちんと指導すべきなんですけどね。
それにしても、真に一週間の禁欲を強いておきながらセックスが終わるまで排卵日のことを忘れてた優良さん…
萌えません?
とりあえず、先生がこの記事内で杏子派から優良さん派に心変わりしたことだけは分かりました。
まとめ
というわけで、本日は生殖医療専門医・Tatsu先生との対談で『ふたりエッチ』の解説をお届けしました!
Tatsu先生、ありがとうございました!!
こちらこそ、ありがとうございました!!
それにしても、優良さんが妊娠した時は私も思わず目頭が熱くなりました。
優良さんたちは3年間の不妊期間に苦しんでいましたが、
私も射精回数のカウントに1か月近く費やしていたので両手を挙げてガッツポーズしましたね。
よく数えましたよね…PDFを見て震えあがりましたよ。
あ、実はあれ15巻ぐらいまで行ったところで数え直したんですよ。
はい???
最初は時間経過や不妊治療に関連する描写だけをピックアップしてたんですが、
「ゴムあり・なし・不明・腟外射精」に分けてカウントしたら面白そうだなと思いまして。
これを思いついたのが15巻ぐらいまで読んでからだったので、再び1巻に戻って数え直しました。
………
……やっきー先生、大変申し上げにくいのですが。
はい。
不妊の期間はともかく、射精回数を数える必要は別になかったですよね?
…………
…………
…………
…………
Tatsu先生、本当にありがとうございました!!!
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杏子さんかわいいやんけ!