本日(2026年5月13日)で、当ブログの設立からちょうど4年になりました。
おかげ様でそれなりに読まれるブログになり、『このマンガがすごい!』2025や2026の審査員も務めさせていただく等、
一介の漫画ブロガーとしては過分とも言えるほどの評価を頂けています。
しかし、そうしたマンガ系のお仕事をさせて頂くにあたって、多少の負い目もあります。
それは「有名作を全部読んでるわけではない」ということ。
中でも強く負い目を感じるのは、1970年代以前くらいの古典名作は少々ハードルが高いとしても、2000年代以降に始まったのに目を通せてない有名作の存在。
その最たるものが、原泰久先生の『キングダム』でした。

2010年頃から「面白いらしい」という噂は耳にしていたものの、
「春秋戦国時代が舞台」「秦の始皇帝が中華を統一する話」という事前情報からどう考えてもメチャクチャ長い話になりそうだなと食指が動かず、なんとなく避けてきました。
そうこうしているうちに、30巻、50巻、70巻ととめどなく増えていく既刊巻数。
もうコレそろそろ腹をくくらないと読むタイミング無いぞということで今回、全巻購入し読破しました。
というわけで、本記事執筆時点で既刊78巻にのぼる『キングダム』を初めて読んだ感想を述べていこうと思います。
ネタバレに関する制限は特にしませんが、ストーリーが分かるような解説もしないことをご留意ください。(解説してたら何万字あっても足りない)
初見時の感想の追体験にどうぞ。
王弟反乱編(1巻~5巻)
1巻:どう見ても悪役の昌文君


第1話冒頭は、信と漂の稽古を偶然目にした昌文君(しょうぶんくん)のシーンから。
『キングダム』の物語の歯車はここから動き始めました。
ただ、ここで登場した昌文君はのちに味方陣営の超重要キャラとして確固たる地位を築くにも関わらず、
初登場シーンはどっからどう見ても端正な顔立ちの少年に目を付けた金持ちの小悪党です。
アタイ知ってる!こういうキャラって超序盤で主人公たちによって悪行を明るみに出されて失脚させられる系のアレよね!
まさかこの人がそんな重要キャラになるなんて…いやそんな…
まさか…?
1巻:地図!?

まさかの1話で瀕死の漂。こんなにも相棒キャラ然とした佇まいだったのに…
そんな漂が信に託したのはあまりにもシンプルな地図。わざわざ地図に描く必要はあったのでしょうか。
「ここの西にある黒卑村の川の合流地点の小屋を目指せ」の口伝えじゃダメだったんだろうか。まあ瀕死で地図を渡した方が盛り上がるからいいか。
1巻:王騎将軍初登場

彼の姿を見て、私は察しました。
『キングダム』の敵キャラは全体的に濃い目である中、いかにもな濃い人が出てきたわけですが、
ここまでに登場した徐完(朱凶)やムタのような序盤のボスキャラと違ってこの王騎将軍はかなりの実力者っぽい振る舞いです。
さしずめ中ボスキャラといったところでしょうか。きっとそうに違いない。
あと「秦の怪鳥」といういじめスレスレのあだ名に本人が納得しているのかどうか、それが気がかりで私は夜しか眠れない。
2巻:昌文君イメチェン

あれ? 1話冒頭のアレと同じ人だよな??
昌文君は少年愛のヘンタイ金持ちからイケオジ武人にレベルアップした。原先生はこのへんで「そういやコイツ大事な味方キャラだしかっこよく描かなきゃ」と思ったのかもしれない。
それを証拠にほら、13話の扉絵に至ってはメンズノンノの表紙の角度だもの。

2巻:王騎将軍、こいつは強い

初登場時はスパイス程度の存在感だった王騎将軍のオカマ口調ですが、昔馴染みの昌文君と話してるうちにみるみる悪化。
マンガにおいてオカマキャラの武人は総じて巨大組織の2~3番目くらいの強さと相場は決まっております。レッドリボン軍にもバロックワークスにもGUNG-HO-GUNSにもクソ強オカマがいるので丁度あんな感じでしょう。
そういったマンガの定石を踏まえて考えても、現在の信がそう簡単に勝てる相手ではなさそうです。
16巻くらいで信が王騎将軍をやっつける展開だと予想しておこう。私の漫画読みレーダーに狂いはありません。
2巻:読みを大胆に外しちゃう壁副長



ここから幾度となく始まる壁副長のポンコツ列伝、その輝かしい一回目がコレ。
この作品、私利私欲のために動いている人間は枚挙に暇がないものの、それなりの地位に就いておきながらシンプルに能力が低いキャラは意外と居ないので、読みを外す系の失策はだいたい壁副長が被ってくれます。
これからの壁副長の活躍に期待しよう。
3巻:美女をチラチラ見ちゃう壁副長

私は察しました。
この壁副長は今後も要所で何かとんでもない凡ミスをやらかす気配がプンプンするぜ。
自分の王様を救いに行こうとしてマジで何の役にも立たなかったどころか敵勢力の読みまで外したのに、
作戦会議で美女をチラチラ見てるだけってどういうことや…?
4巻:足がすくむ壁副長


ヤベェ。ポンコツを通り過ぎてちょっと壁副長が好きになってきた。
実際のところ、自分の目標に命を懸けまくっている信や政、忠義を尽くし切っている昌文君らに比べて見劣りするだけで、
壁副長こそが等身大の「人間」なのでしょう。山の民の勢力は見誤るし美女をチラチラ見るけど。
だからこそ、壁が覚悟をキメるシーンが魅力的に映るのです。
こんなふうにね。


それはそうと、うーんこれは死んだな。春秋戦国時代の医療技術で生存できるとは思えません。
壁のあんちゃん、君は良いキャラだった。
4巻:ランカイって世界観間違えてない?

1巻からちょくちょく出てきてた王弟・成蟜のボディーガードことランカイですが、こいつ一人だけ世界観おかしくない?
巨漢の多い山の民と比べても2~3倍の背丈がありますし、素手で人間を叩き潰すウボォーギンみたいなことをしてます。
後の方でこいつ一人いれば勝てた戦争いくつかあったろ。
5巻:壁副長のじぽ案件


壁副長が左慈から受けた刀傷はどう軽く見積もっても一週間は寝込むような重傷でしたが、ご覧の通りピンピンしております。壁副長にはリジェネがかかってるらしい。
それはそうと、刺された河了貂の止血のため鎖帷子を外した壁副長。これによって河了貂が女性だと判明(ぶっちゃけ察してた)するわけですが、
何をどうやって女の子であることを確認したのでしょうか。じぽ案件でしょうか。
壁のあんちゃん…見損なったぞ…

蛇甘平原編(5巻~7巻)
5巻:ついに世界観の説明

正直なところ私は中国史にそんな詳しいわけでもなく、一般教養程度の大ざっぱな中国史以外は『封神演義』『三国志』くらいの知識しか無いので、
「春秋戦国時代」と言っても何か国が争ってたのかすら把握していませんでした。というか大半の読者はそんな感じの認識のはず。
そんな中で始める始皇帝の物語だというのに、春秋戦国の世界観の説明がまさかの5巻48話で初出という思い切りのよさ。
もし私が「秦の始皇帝が中華統一するまでの物語を描いて」と言われたら冒頭でこの説明してしまいそう。
そもそも史実からして複雑な世界観。下手を踏むとラストファンタジーになりかねない中で、「丸1年間のプロローグでは秦以外の国の話をほぼせず、その後で世界観の説明すればいい」という方向に舵を切った原先生とヤンジャン編集者。
見事な手腕だと言わざるを得ません。

5巻:羌瘣の初登場シーン

ここで羌瘣なる味方キャラが登場しました。
剣や服の装飾といい、独特なハチマキとマフラーといい、明らかに気合いの入ったキャラデザ。壁のあんちゃんの千倍くらいデザインに時間かかってそう。
このまま味方でいるルートも敵に寝返るルートもありそうですが、一筋縄ではいかない雰囲気が出ています。
ただ、楊端和に河了貂と「おまえ女だったのかー!?」展開がやたら続いたので、
『キングダム』における性別不詳のキャラはとりあえず女性かどうか疑うセンサーが発動してしまっております。
というかこの時点で性別は明言されてないけど、6巻の表紙がコレだからな…これで男は無理あるって…

6巻:縛虎申千人将の覚悟



劣勢の中で敵陣を突破し、敵副将・宮元と相討ちになった縛虎申千人将。
おそらく十中八九は自らの死も覚悟した上での突撃でしょうが、よくこの覚悟のキマりっぷりで千人将になるまで生きてたなこの人…
こういった「戦乱の世ではヤベー奴じゃないと上り詰められない」「戦乱の世なのでヤベー奴は生き残りにくい」のバランスがまさに戦記モノという感じ。
7巻:信、恋に落ちる

武功>>>>>色恋沙汰 という価値観をもった信にとって、もうこれ恋に落ちた瞬間よね。
1コマ目の表情がもうはぐみちゃんと初めて会った時の竹本くんなのよ。
中ボスだと思ってたオカマ巨人は主人公の初恋の相手でした。
この怒涛のポジションチェンジについて来れる人物はマンガ界広しと言えどそう居ません。せいぜいラーメン作ってる嫌味なハゲくらいか。
『キングダム』の続編は王騎将軍によるラーメン屋コンサルタント漫画でしょうか。なにそれ読みたい。
7巻:お前弱いんかい


敵総大将・呉慶が懐刀として出してきた切り札、麻鬼と朱鬼。
「将狩り」と呼ばれているらしい、いかにもな強キャラですが、朱鬼は信との戦闘開始からわずか5ページで討ち取られました。
麻鬼に至っては麃公将軍がやってきてわずか1コマで瞬殺されています。お前ら劇中で将を一人も狩れてないやんけ。
まあそうでなくても漫画において「〇〇狩り」を自称するグループはだいたい雑魚狩りと同義であると相場が決まっております。
単身で「海賊狩り」として名を上げる三刀流くらいになってから出直して来ましょう。
刺客急襲編(8巻~10巻)
8巻:今宵は我らのためにある!

政の暗殺時に朱凶が発した決め台詞「今宵は我らのためにある」、なんか懐かしいフレーズだな。
どう見てもオジサンの暗殺者ですが、この台詞のせいで90年代の林原めぐみさんの声が脳裏をよぎってしまい私の脳は破壊された。
10巻:こいつめっちゃ好きな敵キャラかも


序盤からその存在が見え隠れしていた中、ついに登場した丞相・呂不韋。
大王の命を狙う裏切者であるにも関わらず、あっさり罪を自白して大王自身に罪をもみ消させるというなかなか前例のない圧倒的な強キャラムーブ。
悪びれもせず徹頭徹尾「味方なのに厄介な敵」であり続ける有能な権力者。アタイこういう奴大好き。
10巻:信の隣にいるために

わずか一戦の経験で百人将に昇格し、戦士として飛躍的な速度で成長する信。
しかしその姿を間近で見ていた河了貂は、信がその程度の器にとどまる人物でないことを確信し、軍師を目指すことにしたのです。信の隣にいるために。
今まで通り、信のために家を守り、美味い飯を作って出迎えることもできる。しかし河了貂はそれを選択しませんでした。本当の意味で信の隣にいるために。
信はあれか?ギャルゲーの主人公属性か?
モテモテで鈍感で単純一図な強化系主人公。河了貂はもちろん、羌瘣も何だかんだで信に多少の矢印が向いているように見えます。象姉が男の温もりがどうたらこうたら言ってたし多分そういう伏線よね。信もげろ。
10巻:紛らわしい名前、昌平君

すこぶるどうでもいいんですが、味方陣営の腹心の名前が昌文君なのに対し、敵陣営の幹部の名前が昌平君なの何とかならんかったのか。
いやまあ史実の人物だし「ネーミングが紛らわしいよ」と文句をつけたところでどうしようもないんですが。当時の秦でも聞き間違いとか書き間違いとかあったでしょ多分。
もっとも、古代史って「めっちゃ名前似てる」「ていうか同じ名前」が頻出してたので、昌文君と昌平君にこだわるのは些末な問題かもしれません。キリスト教について勉強したらヤコブさんとかヨハネさんが居すぎて混乱するのと同じ話。違うか。
馬陽防衛編(11巻~16巻)
11巻:ヤベーの居たわ


大雨の中、一般人の死体の上でマントと靴だけの装備でたたずむ変質者が居ました。
しかもこいつ将軍なの??こいつの下で働いてる兵の離脱率やばそう。同期からは陰で「フルチンマント」って呼ばれてそう。おまわりさんこの人です。

敵国民に恥辱を与えるために脱いでたのかと思ったらこいつ基本装備が上裸なの??
世俗の衣服を着ると逆に守備力が下がるタイプなの?MOTHER2の王子様なの?
でもPSIは使えなさそうだし老婆心ながら服は着た方がいいと思うぞ。敵軍から矢を射られている最中ならなおさら。
11巻:誰も知らんのかい


この流れがやけにシュールで面白いのでついメモってしまった。
小難しい顔してる連中、誰も知らんのかい。
11巻:服着るんかい

皆のアイドル、露出狂こと万極将軍ですが結局服着るんかい。
雨が降っても矢が降っても上裸で居たあれは何だったの?ただの趣味なの?
戦闘中に脱ぎ癖があっても許されるのはアームストロング少佐みたいな清潔感あるゴリマッチョに限ります。キモ髭ロンゲの上裸に需要はないよ。
12巻:特攻が持ち味なのか…

皆大好き万極将軍の持ち味は”特攻”のようです。”露出”なら面白かったのに
どうでもいいけど”破壊”と役割被ってない?
あと”万能”の人も特別に褒めるとこ無いから適当に付けた感を覚えるのは私だけでしょうか。
12巻:『飛信隊』の誕生

王騎将軍から信の百人隊へ贈られた名前は『飛信隊』。
めちゃくちゃ熱い展開です。アタイこういうの好き。
信の特性が活きる役割とかっこいい名前を与えて百人隊にバイキルトをかける。王騎将軍は武力だけでなく、士気上昇能力が抜群に高いのが魅力ですね。
王騎将軍の姿がアバン先生とか自来也とか五条悟に重なってきました。
…ん?
いやまさか…そんな…ねえ…?
13巻:『飛信隊』の萌芽


指示通りに趙の副将・馮忌を討ち取った信に対し、王騎将軍は『飛信隊』と名付けた理由を説明します。
信にその役割を担わせたのは自軍の士気向上のためか、後進の育成のためか。信の中にそれ以上のものを感じたのか。
こういう師弟関係いいよね…いい…
あと王騎将軍、干央の勝ち鬨に対し「粋なはからい」と言ってますが、『飛信隊』と名付けたことは粋とかいうレベルじゃないからね。
一人だけ合宿に居残りさせてシュート2万本の練習を付きっきりでやった安西先生と同じレベルだからね。期待感が伝わりまくってるからね。
ただ、長期連載作にこういう話をするのも野暮ですが、
このひと以前はもうちょいコテコテのオカマ口調じゃなかったっけ?昌文君と話しててテンション上がってただけか?

13巻:友達いなさそうな蒙武さん


我らが副将・蒙武さん。
戦闘開始時に助攻を提案されれば「殺すぞ 貴様」と一蹴し、
作戦会議に呼ばれれば「下郎が 次に口を開かば首をねじ切る」と罵倒。
ウンまあ、王騎将軍に総大将の座を奪われたことを思えば気持ちは分からないでもないんだがこのコミュ障ぶりでよくここまでやってこれたなこの人。友達いなさそう。
13巻:李牧初登場

わあ。なんか万極将軍と別ベクトルでヤバいの来た。
めっっっちゃ遠くから戦場を眺めて、周りにはお付きのカイネがいるだけなのに「さー!皆さん!李牧が到着しましたよ!」は自意識が天元突破している。友達いなさそう。
あとデヴィ夫人とかが付けてそうなモッサモサな首のファーは何だそれは。春秋戦国時代にあっていい素材なのかそれは。
14巻:飛信隊は死なない


馬陽の戦いが始まった時には『飛信隊』という名前すら存在しなかったのに、緒戦をくぐり抜けたことで隊員の団結力はこの上なく上昇しました。
龐煖の襲撃によって散り散りになり、隊長が意識を失っていてもなお、隊員総出で信を守るという意識に曇りはありませんでした。
これが王騎将軍の言っていた「憶えやすくするためです 味方も…敵も」の効果なのでしょう。
名前を付けると意識が変わる、なかなかに含蓄のある話じゃありませんか。
15巻:蒙武さんアホなの?



いや流石にアホすぎるって。
相手の裏をかく算段があったならまだしも、罠だと分かった上で普通に罠にかかって兵を半分以上失うのはアホすぎるって。
結果的に蒙武さんはこの戦いの戦犯と言って差し支えないですが、王騎将軍が言ってたのってそういうこと?
まあやけに3点リーダーマシマシの感想だったもんな………………
………………

16巻:あーん!王騎将軍が死んだ!

ついに王騎将軍がアバン自来也五条悟ルートに乗ってしまいました。
確かにフラグはビンビンに立ってたけど…原先生のカバッ!怪鳥薄命だ…
それにしても171話の扉絵は完全に父子のそれで泣けるぜ。

戦争孤児であり父のいない信と、妻になるはずだった女性を失って子供のいない王騎将軍。
漂との野試合で剣を磨いたため明確な「師」を持たない信と、
既に確固たる地位を築いているが故に「弟子」と呼べる存在のいない王騎将軍。そんな二人だからこその関係性。
『キングダム』という作品のプロローグは5巻の王弟反乱編までですが、大将軍・信にとってのプロローグは王騎将軍の死までなのでしょう。
あと今さらですが、このマンガめっちゃ面白いわ。こんだけ売れるわけだわ。なんで今まで読んでなかったんだ。
4年も漫画ブログ書いてるくせに『キングダム』を放ったらかしてたブロガーがいるらしい。とんだおバカさんですねぇ コココ
山陽平定編(17巻~24巻)
17巻:俺がいっしょにいてやっからよ(意味深)


ちょっと待て!!王騎将軍が死んだ心の穴を羌瘣で埋めようってか!!!もっとやれ!!!
この流れはラブコメすぎるって!!!もっとやれ!!!はよチューしろ!!!
ところで羌瘣が原先生の画力向上の影響を如実に受けてますね。
初登場時がアレだったことを思うと今のコレはどう見ても美少女すぎて誤魔化しようが無いような。

17巻:このオッサン好きだな…


李牧に対して命が惜しければ城ひとつタダでよこせとメチャクチャふっかける丞相・呂不韋さん。
敵だと厄介この上ありませんが、味方にすると頼もしすぎる人材。自らの「悪」を隠すそぶりが微塵もないからこそできる交渉。ホントいい味出してます。
話の都合上どこかで退場することは確実とはいえ、このオッサンが居なくなる瞬間は王騎将軍の次くらいにショックを受けると思う。それくらい好きです。
18巻:呂不韋さん、二重の意味でやらかす




そんな呂不韋さんですが、後宮勢力への裏切りと皇后との密通を宮女に盗み聞きされるという失態をやらかします。
というかもうこれわざと聞かせてなきゃおかしいくらいの説明口調。
そこからひとつ奥に行っただけでもっとセキュリティの高い部屋があるんだからそっちで話しなさいよ。
おかげで「快楽の小部屋」という安直すぎるネーミングについてツッコむのを忘れそうになったわ。

あと政の母ちゃんうるさいな。
事が済む前からもう呂不韋さんが賢者モードになっちゃってるじゃないか!


19巻:全然似てない蒙一族


コミュ障に定評のある蒙武さんですが、蒙恬の父親であることが明言されました。
ついでに白老将軍・蒙驁の息子でもある。
わりと人当たりが良くて飄々とした一族なのに何で蒙武さんだけこんなんなんだろ。こんな「中間だけおかしい」家系は珍しい……
いや、ひとり心当たりがあるな……

19巻:謎の鉄仮面、王翦

蒙驁将軍が抱える二人の副将のひとり・王翦。またなんか変な鉄仮面が出てきた。
厳めしい仮面、険しい表情、近寄りがたいヒゲ、前から見ても後ろから見てもなんか怖い兜。数え役満です。
蒙武さんといい王翦といい、「この人の下で働くのなんかヤだな」という人が秦にやたら多いのなんとかならんのか。
20巻:もう一人の副将、桓騎

蒙驁将軍が抱える二人の副将のひとり・桓騎。
李牧の色違いのような、ちょっとトゲトゲしい首のファーがどうにも気になります。春秋戦国時代にあっていい素材なのかそれは。
あとこれは原作を一周したあと改めて描写を確認しながら読んでて思ったことですが、
この時点で桓騎まわりの設定が固まってないからか、異様にキャラ濃い桓騎軍の側近たちが一人もいませんね。
こういうライブ感が『キングダム』の良さのひとつだと思う。
ただそれはそれとして、この強キャラ感はけっこう好き。

愚直にタイマンで勝利する展開も良きですが、まずは敵への嫌がらせを優先し、結果的に勝利につなげる。良質なバトル漫画には一人か二人くらいいるタイプです。
ヒソカとか尾神(※異端の麻雀感性を武器とする男)とかに似た魅力がありますね。
21巻:良い囮、壁のあんちゃん


壁のあんちゃん、千人将から急遽五千人将に格上げされたかと思ったらただの囮でした。
最初期からの「主人公の理解ある上司」という美味しいポジションなのにいつまで経っても扱いが悪い。
確かに忠誠心が高く、良くも悪くも想像を超える働きをしない壁のあんちゃんは王翦将軍のような智将タイプが動かす駒には丁度良いのでしょう。哀れなり壁副将。
22巻:もうこれ純愛だよね

別働隊を食い止めるために命懸けで戦った羌瘣、そんな彼女を抱きしめる信。
これは純愛だ。それも超良質な純愛ものだ。
戦以外のことは頭にない信と、世間から隔絶された人生を歩んできた羌瘣。
そんな二人が、戦場で最高の相棒を見つけたわけです。お前ら早く結婚しろ。
23巻:もうこれ純愛だよね(2回目)


廉頗との闘いを経て、信と政、立場は違えど「中華統一」がその大目標となりました。
王と兵士の身分差があるにもかかわらず、信が咸陽に来るたびに毎回ちょっと話し込むのも良いよね。お前ら早く結婚しろ。
ホモが嫌いな女子なんかいません!
23巻:目まぐるしいヒロイン交代

羌瘣が仇討ちのため一時離脱したかと思えば河了貂がすぐにヒロインポジを奪取。
初期は確かに少年か少女かはっきりしない見た目でしたが可愛くなって再登場。
『キングダム』のヒロインは椅子取りゲームなのである。
24巻:思い出はいつもキレイだけど

求道者でおなじみ龐煖さんですが、山にこもって何をしてるのかと思えばるろ剣のオープニングみたいな方法で修行をしていました。
星占いもあてにならないわ。

合従軍編(25巻~34巻)
25巻:合従軍編、スタート

ここで前半の山場・合従軍編がスタート。秦以外の六国がすべて手を組んで攻め入ってきました。
呂不韋さんがここまで焦ってるシーンもなかなか珍しいので私得のシーンでもある。
それにしても、この秦vs合従軍って史実なんですよね…すげえな当時の秦…
まあ実際のとこ、合従軍でも興さないとマズいレベルで当時の秦が圧倒的だったようですが…
25巻:なんか一人やばそうなんだけど

そんな合従軍編のはじめに四人の総大将が集合しましたが、韓軍の総大将は大丈夫か。
定まってない焦点・浮き出すぎている血管・単語でしか話さない(初登場時のみ)。普通にこの人の体調が心配になります。
こういう「見た目からして特徴的すぎるタイプ」は、フィクション的には搦め手に長けるとか万極将軍のように露出度が高いとかの特徴を有するのでしょうが、
自国の代表として出張る人間がコレだと韓の兵士の困惑やばそう。
26巻:チームワークの悪さが浮き彫りに



李牧さん「無理でしょう(断言)」
…というわけで、城攻めの秘密兵器の存在を知ってたのは魏軍だけということが判明しました。李牧がコレの存在を知ってたらたぶんもっと有利な作戦立てられてただろ。どうせ衆目に晒されてしまうんだから隠す意味もあんま無いですし。
有利な条件が揃いまくってたのに合従軍がうまくいかなかったのは端的にチームワークが微妙だったからではないかと邪推してしまうぜ。
26巻:何だあれは?(読者の代弁)

以前からちょくちょく登場していた、騰将軍による原理不明のファルファルですが、さすがにこの布陣を突っ切ってコレやるのはどうかしてる。
一人だけ三國無双の世界観じゃない?無双ゲージ溜まってたの?
仕組みが不明なこと以上に、左手側が隙だらけなのが気になります。左手側から槍でつついたら何とかならんのかしら。
27巻:バーン(迫真)


そんなことある?
そんなことある?(2回目)
普通、この勢いでこうなったら確実に前歯が折れると思うので絶妙なブレーキがかかったのでしょう。唇だけがちょうど重なるように。
わかった、つまりわざとだな?(名推理)
27巻:これは新たな師匠ポジションくるぞ


合従軍編の前からちょくちょく顔を出していた麃公将軍ですが、同じく『本能型』の将才を有する者同士だからか、信へのお気に入りっぷりが半端ではありません。
指揮官としては野生のような本能をもって智将を翻弄し、武人としては比類なき強さを発揮。
味方で居てくれれば誰よりも心強い武人で、戦が終われば大酒を飲んでガハハと笑う、豪放磊落を地で行く豪傑。
王騎将軍とはまた違った意味で「大将軍」であり、信にとっては新たな師匠ポジションでしょう。
信に矛を託して戦死してしまった王騎将軍と同じく、これからの信の指標となる人物になることは間違いな…い………
……いや…まさかそんな…ねえ……??
28巻:ファンが多いと聞いてはいたが

敵味方、全員の盲点を突いた大胆すぎる作戦を決行した桓騎将軍。
これ読む前から「桓騎」の名前は聞いたことがあり、ファンが多いということも知っていましたが、これは確かに納得。
そんな桓騎に遺志を継いだのが五十年の戦績を誇る秦の忠将・張唐というところがいいよね。
生まれも育ちも国への想いも完全に真逆なのに、最期に認め合えた関係性。あたしこういうの嫌いじゃないから!

29巻:汗明!



うん……実際の戦場で士気を上げる方法としてはバカにできないのかもしれませんがシンプルにダサいな。
このためだけに部下を数百人単位で巻き込んで練習してることが伺えるのが最高にダサい。
クソ長い尺のわりに俺TSUEEE以外のことを何も言ってないのも極めてダサい。
自分の名前を呼ばせまくって最後に自分で叫ぶ流れも絶妙にダサい。
締めのポーズも表情も恐ろしくダサい。
あと「汗明」という名前も
ここまで蒙武さんと並びそうな強キャラ感を出してたので期待してましたが、しまいには攻撃方法までダサいという救いようのなさ。
俺もう汗明さんがどうやって蒙武にブチのめされるのかにしか興味持てなくなっちまったよ。

30巻:矢など関係ない(震え声)


うーんこれだよこれ!龐煖のこういう微妙な小物感がたまらん。
求道者を名乗るなら黙って闘って実力を示せば良いものを、「矢など関係ないもん!」と言い返さずにはいられないあたりが龐煖が龐煖たる所以。
おそらく原先生は龐煖のキャラクターに厚みが出過ぎないよう、意図的に抑えてるのでしょうが、
結果として「強いけどただそれだけ」というキャラに魅力が出ないことを教えてくれる最高の材料になっているのが面白いところ。
30巻:悪い予感は的中



やっぱり麃公将軍も逝ってしまったか…(泣)
信に道を与えてくれたのが王騎将軍だとするならば、信に道を示してくれたのが麃公将軍。
そんな王騎将軍は死に際に矛を託し、麃公将軍は盾を託した。実に対比の効いた話じゃありませんか。
『キングダム』ってやつは本当に敵も味方も魅力的だな……
万極とか汗明とか龐煖とかの例外もいるけど……
32巻:真の王じゃないか

蕞を守るため自ら城の守りに就き、凶刃に倒れかけて瀕死に陥るも、味方を鼓舞し続ける政。
これはもう真の「王」じゃないか……
『キングダム』はヤングジャンプの連載作品ですが、週刊少年ジャンプのどの作品よりも泥臭く「友情・努力・勝利」を地で行ってますね。そりゃオッサンに人気も出るわ。
屯留編(34巻~35巻)
34巻:正ヒロインの渋滞

仇討ちの旅を終えた羌瘣が帰還し、河了貂との正ヒロイン対決が本格的に始まりました。
しかし肝心の信は羌瘣とイチャイチャしっぱなしなので、それを眺める河了貂の顔がヒロインとしてまあまあヤバい造形になっています。
吉田戦車先生のかわうそ君かな。


34巻:いつまでその服着てんだこいつ


合従軍の敗戦の責任を取り、現場監督回りに左遷された李牧。
それ自体は別にまあいいとして、黒柳徹子が付けてそうなファッサファサのファーはいつまで装備してんだろうか。
この20世紀から転生してきたようなファッションは天才軍師+宰相という地位があってギリギリセーフだったのであり、現場監督にやってほしい服装ではないなコレは。
著雍攻略編(35巻~37巻)
35巻:じぽかく!壁副長

初めて総大将として3万の軍を率いる戦いに赴いたにも関わらず河了貂の成長をじっくり眺める壁のあんちゃん。
またじぽか?じぽかく案件なのか?
ていうかこの人を総大将にして大丈夫なのか?

35巻:成蟜がこんな良いキャラになるとは

信にとって最初の敵ボスであった王弟・成蟜。
初登場時は典型的なプロローグ用の悪役でしたが、反乱が失敗に終わって6年という歳月を経て成蟜も成長していました。
死に際に信の心に残る言葉を残し、妻や家臣に涙を流させる。序盤の悪役はそこには居ませんでした。
考えてみれば名君・昭王の血族なわけですから、王族として相応の器量はあったのでしょう。反乱失敗は彼が人間的に成長するきっかけでもあったのです。
とんでもねえ大失敗をしてから自分を見つめ直すのって大事よね。めっちゃ分かるぜ。
37巻:”意義”だの”夢”だのと語るのは無知なバカ共をかき集めるための(以下略)

魏の将軍・凱孟による吹き出しに詰め込みすぎの説明。
というか、王騎将軍から相手にされなかったことへの言い訳。
その理由をほんのり自覚しながらも反論する凱孟さんのダサさはさておくとして、
なんかこの「正面を向いて中身のない台詞をダラダラ喋る構図」に既視感を覚えるぞ……なんだろう……
そうだ!!アレだ!!!!

毐国反乱編(37巻~40巻)
38巻:それはもうプロポーズでは?

信と同じく大将軍を目指すと決めた羌瘣ですが、「私は最後まで飛信隊だ」いただきました。
ん?いま「最後まで」って言ったよね?
もう早く結婚しろよお前ら(2回目)
39巻:昌平君の離反

政の政敵・呂不韋が抱える軍総司令の昌平君がついに離反し、政の陣営につくことを意思表示しました。
史実的に呂不韋が失脚することは確実とはいえ、河了貂の師匠格でしかもイケメンなので昌平君の完全な失脚は無いだろうなーとメタ的に思ってはいましたが、
何とまだまだ政争の行方が分からない中での離反。これはポイント高いぞ。
しかも幼少期の話とはいえ、蒙武さん並みに強かったことまで判明。ちょっと属性盛りすぎでは?
政争以降で昌平君がめちゃくちゃ起用される未来が見える。

黒羊丘編(41巻~46巻)
41巻:これが桓騎か…

これまでにも奇策を用いる強キャラとして君臨し続けていた桓騎将軍ですが、信との共闘はこれが初となります。
トゲトゲしい黒のファー、すんごい時間がかかりそうなヘアセット、こめかみにまで達する眉毛、謎のチョンマゲ。
こいつはただもんじゃねえぞという風格が一目で分かると同時に、確実に信とモメる未来が見えます。
今後の展開が読めてきた気がする。
42巻:他の追随を許さない正ヒロイン


こいついつも飛信隊のために命懸けてんな。
河了貂もたいがい命張ってる方だと思いますが、さすがに羌瘣のソレに比べると分が悪いと言わざるを得ない。
このへんが正ヒロインたる所以でしょう。
42巻:と思ったら追い上げる準ヒロイン


…などと言ってたら河了貂がヒロイン争いを急激にマクってきました。
「一蓮托生」そのものの展開、羌瘣と違って武力を持たないが故に信と弱点を補い合う関係性、
やっぱ河了貂がヒロインやな!!(テノヒラクルー)
42巻:ついに渕さんが活躍を!?


特殊作戦を決行する決死隊を任された渕副長。
特別な武勇や知略があるわけでなく、ほぼ成り行きだけで副長を務めていることを本人も自覚しているわけですが、
飛信隊において誰よりも強い責任感と人望を持つ渕さんだからこその大任です。
すごい情けない姿勢で斬られた時の壁のあんちゃんのように、凡人が意地を見せるシーンってのは光るよね。

44巻:だからさぁ……

もう早く結婚しろよお前ら(3回目)
44巻:やっぱりそうなるわな

案の定、一般市民への略奪行為を巡ってゴリゴリに揉める桓騎と信。
とは言っても、今より遥かに法というものが形骸的な時代の侵略戦争においては、むしろ桓騎の方がよっぽど普通の価値観でしょう。
ここから先の世界史的にも、「正義」の名のもとに行われた実質的な侵略戦争は枚挙に暇がありませんし。
いや今も似たようなこと起こってるか…やっぱ戦争ってクソだわ。
45巻:リアクション芸人・昌文君


政と斉王の会談に(外交官の蔡沢を除いて)ただ一人、同席を許された昌文君。
果てしなく余談ですが、この記事を書く上で「昌文君(しょうぶんくん)」だと漢字変換がめんどくさいので「昌文君(まさふみくん)」で変換してます。一発でいけて楽ちんなので、今後『キングダム』を全巻読んだレビュー記事を書きたい方はご参考にどうぞ。
それはそうと、
「…なぜ蔡沢様は 私を」
と汗をかく昌文君ですが、私には分かる。君はたぶんリアクション要員だ。
大王の迫力に熱風を感じるまさふみ君。

二人の大王から無視されながらも健気にコマを埋めるまさふみ君。

解説役+リアクターを完璧にこなすまさふみ君。

まさふみ君は裏切りの可能性がほぼゼロの味方+人の好い顔芸オジサンとして完璧なポジショニングを獲得していますので、
これからも政の周りで良いリアクションを見せてくれるに違いありません。
それにしてもこんなにも感情がそのまんま顔に出てて政治家として大丈夫なのかこの人。
鄴攻略編(46巻~60巻)
46巻:趙に…ヤベー国王いるゥ…?


政は言わずもがな、斉の王も底の知れない大人物だったのに対し、
趙の王はだいぶぶっ飛んだ暗君でした。李牧をはじめ、何で趙の人達はこいつに仕えてんだろう。
さっきの会談にこいつが居たらどうなってたのか見てみたい気もする。
47巻~48巻:王翦と桓騎の関係性いいよね



ともに蒙驁将軍の副将として成り上がった顔が怖い王翦と顔が怖い桓騎。
王翦は名家の頭首という立場であり、桓騎からすればだいぶ嫌いな人種のはずですが、この絡みを見る限り桓騎は王翦のことをかなり認めている様子。
二人が直接会話してるシーンは全編通して片手で数えられる程度ですが、副将時代にはどういうやり取りをしてたんだろうか。
蒙驁将軍の下で快勝を飛ばした後は、酒でも飲みながら「あの策はどの段階で思いついた?」などと戦談義に花を咲かせたりしたんだろうか。エッッッモ。
49巻:すんごい邪魔そうな被り物だな…

こういうふうにケモノの頭部をそのまま被り物にしてエンジョイ&エキサイティングしそうな連中ってフィクション世界にはたまに居ますが、兜や衣類の役割としてはどう見ても非効率的なのが気になります。
一応、祭祀や儀礼的な目的で「動物の頭蓋骨などを被る」という文化は実在したようですが、
この犬戎族に関してはイヌの歯とかをそのまんま付けてるので顔に刺さって痛そうですし、
何よりめちゃくちゃ高度な毛皮の加工技術が無い限り半端ない腐臭とケモノ臭に襲われることが確実です。
それとも、そんな些細なこと気にしてるようじゃエンジョイ&エキサイティングできないぞ、という話なのか。
50巻:やられ上手の壁将軍


敵味方、誰もが兵糧との戦いだと認識した上できっちり兵糧庫を襲撃された壁将軍。
「肝心なところで致命傷一歩手前のやらかしをする」という期待を裏切らないムーブはお見事としか言いようがありません。
立ち尽くす兵の数からして万単位の兵站を守るにしては超スカスカな警備を敷いていたのは明らかなので、これ処刑とまではいかなくとも大幅に左遷されても文句言えないんじゃないかな。
52巻:壁将軍だけそういうの多くない?

そんな壁将軍ですが、メラ族の族長の妹・キタリとの絡みがやたら多いな…とは思っていましたが、
よく考えたらキタリだけじゃなく楊端和・河了貂など女性キャラとの絡みが全体的に多いんだわコイツ。
ただ、壁将軍は『キングダム』世界において戦場に出る女性キャラのほとんどと何らかの形で絡みがあるのに、
フラグらしいフラグが全く立っていなかった(異性として相手にすらされていない)という安牌キャラでもあります。
しかし若干ながらキタリは彼女らと毛色が違いそうですね。壁将軍の今後に期待しよう。
53巻:タジフの武器が気になってきた

前から気になってたのがタジフの持ってる謎こん棒。
そのサイズの石ってそうとう重いんじゃない?とかどうやって木の棒を石に挿してんの?とか木の棒の方がすぐ折れそうだけど?とか、何気にかなりのファンタジー武器となっております。
ちなみにタジフはかなりの巨漢なので石の直径は1メートルくらいありそうに見えますが、
小さめに見積もって直径50cmとした場合でも、花崗岩の密度2.6g/cm^3で計算すると170kgくらいある計算になります。
それをぶんぶん振り回せるのはもう良いとして、その衝撃力を一身に受ける柄の部分(木の棒)の材質はいったい何なんだ…
55巻:松左って死ぬタイプのキャラだったんか…

飛信隊の兵卒たちの兄貴分的存在だった松左が戦死しました。マジか。常に飄々としていて死なないタイプのキャラだと思ってた…
尾到のようなパワーアップイベントのための戦死とはまた別の話っぽいので、メタ的には鄴攻略編が終わった後のメンバー増加を見据えて間引いた感じでしょうか。
57巻:王賁ってわりと情に厚いよね


基本、トガったナイフとして振る舞っている王賁ですが、「味方があぶねえ!自分も死にそうだけど助けに行ったろ!」って行動することけっこうあるよね。
ただ、毎回きっちり戦略的なメリット(という名の言い訳)を明示した上で援軍に行くあたり、至高のツンデレ感が出てて非常に良いと思います。
実際、ここで総大将である王翦が討たれたらほぼ負け確なので、追加の援軍を待つ時間すら惜しいことは確か。
とはいえ同時に「親父を助けに行かな!」という本音もポロリしてるこのシーンはわりと貴重です。
んで、いざ実際に王賁が王翦のもとに辿り着いたら、

訳:「あんた怪我してるじゃない!あたしなんて見捨てて生き残ることを優先しなさいよ……何考えてるのよ…バカ……」
親子だなこいつら……
57巻:そうはならんやろ


気弱な怪力弓使い・淡がついに本領を発揮しました。
その威力はもうほぼアシタカのそれ。キングダムの世界観にタタリ神の呪いはズルいって。
力が強いのは良いとして、なんで矢の直径より遥かにでかい穴が開くの…?とか考えるのは野暮というものでしょうか。
58巻:結婚!!結婚!!結婚!!

龐煖との戦いで文字通り死力を尽くした信でしたが、
その代償は大きく、心臓までもが止まってしまいました。
そんな信を救うべく、自らの命を削る禁術を使って信を呼び戻す羌瘣。
一切の迷いのない、「全ての命を捧げる」宣言でした。
こんなんアレじゃん、結婚以上じゃん。
俺の中の結婚狂戦士が踊り出すやつじゃん。

58巻:松左が居なかったのそういうことか

龐煖との戦いの場面で散っていった人達の後押しを受けるシーンに松左がいないの何でやねんと思ってましたし、
一番左にいる露出狂より優先すべき人材だろそこはと思ってましたが、
まさかここで登場するための伏線だったとはね。

59巻:李信将軍、誕生


下僕出身ゆえに姓のなかった信ですが、将軍就任を前にして「李」の姓を付けることを決めました。
まあいいんだけど、宿敵である李牧と同じ姓になっちゃうことは特に考えなかったんだろうか。
ありふれた姓だからあんま気にしなかったんだろうか。
あとこのシーンを読んだ10人中15人が心の中でツッコんだと思いますが、騰将軍は姓なくてええんか??
什虎攻略編(60巻~62巻)
60巻~61巻:蒙毅さん大丈夫?

秦・魏連合軍による、楚の城「什虎」攻略戦において軍師を務めたのは蒙毅。
蒙武の息子で蒙恬の弟、そして河了貂の兄弟子でもあるという超美味しいポジション。
……なのに、この戦ではほとんど何の役にも立ってません。
オヤジ!魏から連合軍の返事きてないって!今行ったらアカンて! ⇒ 蒙武「行くもん」
わーい騰が援軍に来てくれた! ⇒ 二万人かよ足りねーよ!!
楚に援軍が来てる!オヤジ下がれって!!撤退して!! ⇒ やっべ楚に先回りされた!間に合わね!!
あっ魏の名将・呉鳳明さんの側近さんスか…どもども… ⇒ 名乗ってなかった失礼しました!!!



しまいには自分の部下たちから「呉鳳明自ら指揮をとる魏軍はあれ程強いのか(チラッ)」
「秦魏で挟撃と言いつつ こちらはまだ一進一退だ(チラッチラッ)」と遠回しに批判されまくり。

その呉鳳明からも、騰について「軍師級の頭脳」「厄介な男」と評されるも蒙毅に関する言及はゼロ。
ここから蒙毅が巻き返す未来は果たして来るのでしょうか。

62巻:わあああい結婚だあああ



武城・平陽編(62巻~64巻)
63巻:雷土さん…


敵に捕縛され、凄惨な拷問を受けた桓騎の腹心・雷土さん。
命を張って作戦を秘匿する義理など無いことを自覚しつつも、最後まで口を割ることはありませんでした。
今わの際になって桓騎のことを少しだけ理解できたのは、その行動原理が忠義や忠誠心といった高尚なものではないことを認識し、桓騎と何らかの共通点を感じたためなのかもしれません。
雷土さんが本当の意味で桓騎の「一家」として死んでいったのは、幼少期から野盗として生きてきた彼にとって救いとなり得たのか。考察の捗るキャラクターです。
アゴヒゲがよく生えたり消えたりすることも含めて。


趙北部攻略編(65巻~73巻)
67巻:顔隠してる奴、だいたい美女説


またもや『キングダム』で顔隠してる奴・性別不詳の奴だいたい美女説が補強されてしまった。
というわけで、このお父さんもワンチャン美女なのではないかという仮説をここに提唱いたします。現時点でまだ素顔が出てないので否定する材料もありません。シュレーディンガーの王翦。

69巻:桓騎の株がストップ高


桓騎にとっても最後の賭けだった、李牧の急襲作戦。
しかしそれも失敗に終わり、蓋を開けてみれば宜安の戦いはほとんど李牧の完勝と呼べる結末となりました。
というか、平陽の戦い以降はほぼ桓騎編だったわけですが、
それまでヘイトを買う行為ばかりしていてどう着地するのか…という懸念も何のその、
最終的には「家族を持たない孤独な男が、戦いの中で多くの家族を得て死ぬ」という、どこかの白ひげみたいな最期を迎えることとなりました。さすがジャンプ漫画やで。
70巻:エンダァァァァァァァ


71巻:すげーどうでもいい(本音)



……なんか信と羌瘣の結婚に比べて、こいつらがくっつくかどうかに全然興味が持てないのは私だけか?
桓騎軍や麃公軍の兵たちも「ボスのこと大好き」ではありますが、彼らは大なり小なり「そんなボスが率いる軍」というものに帰属意識を持ち、それなりの大局観をもって戦っているのに対し、
カイネが李牧に向ける矢印って李牧とイチャつくこと以外マジで何も考えてないから戦記ものとして見た時にノイズすぎる。
これなら10000%自分のことしか考えてない龐煖とかの方がまだマシなくらい。
71~72巻:さすがにアホすぎる河了貂






飛信隊の軍師・河了貂ですが、そろそろ「コイツの指揮能力は本当に大丈夫か」と疑念が高まって参りました。
いやまあ、河了貂って今までそんなに失策らしい失策は無かったと思うんですよ。
せいぜい蕞防衛戦で1~2回会っただけの敵副将・カイネをなぜか助けたり、著雍戦で撤退の進言を無視して敵に拉致されたり、本能型の尭雲にいいようにあしらわれたり、「分からない オレは蒙恬の意見を聞きたい」と責任を押し付けたり、斥候がことごとく狩られて情報が入ってこないにも関わらず進軍して31万人の包囲網に気付かず飛びこんじゃったくらいで、
ここまでの軍師としての活躍と失策を合計すればちょっとマイナスよりのプラマイゼロくらいだと思うんですよ。
ただ、李牧が何の策もなく最前線まで飛び込んできたorその裏をかけると考えて追いかけたとしたらさすがにアホすぎる。
「この戦いは右翼から崩して李牧に勝利するんだ―――」とは何だったのか。
結果として、秦軍最高クラスの戦力である信+兵1万人を無意味に走らせただけとなりました。
河了貂や蒙毅って昌平君の軍師学校でトップクラスの成績だったはずですが、その二人でこの有様なので、
結局、昌平君の教え子でまともに育ったのって蒙恬だけなんじゃないか。
72巻:遠くない???


万単位の人間が殺し合ってる最中にこの距離で普通に会話できるってどういうこと?テレパシー?
それともマンガ的表現で普通のセリフっぽく見えるだけで実は死ぬほど声でかいの?
「だいじょうぶかあああああああ!!!!!!!!!!」
「だいじょうぶでええええええす!!!!!!!!!!」
なの?
だとしたらこのツインテ天パにちょっと萌える。
73巻:ヘキショウグン…

河了貂と楊端和のあとはキタリと順調にフラグを立てる壁将軍。
丸一年にわたる奴隷生活から解放された直後にこのムーブができるのは逸材というほかありません。
これが「本能型の武将」というやつか
韓攻略編(73巻~77巻)
75巻:名将すぎない?


韓攻略戦の総大将でありながら、無血開城した南陽の民を守り、寧姫へ直接交渉する騰将軍。
その思想は一見すると「将軍」に任された働きとは相反するように見えますが、政の目指す「中華統一」の理想を体現するものでした。
秦の将軍の中で誰よりも政の思想を理解してるんじゃね?(下手すると信よりも)
武力全振りの蒙武、戦術全振りの王翦などと違い、武力と戦術と外交が全部トップクラスなので六大将軍で一番替えが効かないのって騰将軍なんじゃないだろうか。
王騎将軍の「本来 あなたの実力は私に見劣りしません」がここまでマジだとは思わんかった。
77巻:騰将軍!!!!



騰将軍が居るかどうかで今後の国盗りの難易度めちゃくちゃ変わってくること確実ですが、
寧姫の自死の道連れとなってしまいました。
韓の陥落と引き換えに惜しい人を亡くして……

そうはならんやろ。
ところで、第二部以降の戦争描写がちょっとダラけ気味だったのに引き換え、韓攻略戦はテンポが良く禍根もそれほど残さない、実にスッキリした読み味になっていました。韓に優れた武将がほとんどいなかったのが一因だと思いますが。
そこで気になったんですが、コイツの隊員はどこいったの?
まさか合従軍に毒兵器のノウハウ持ってるやつ全員連れてって全滅して技術が散逸したの?だとしたらアホすぎる。

趙完全攻略編(78巻~)
78巻:もうヤだこいつ


やっぱ俺こいつ嫌い。
意味のない出迎えで李牧の睡眠時間を妨げただけの、忠誠心という名の自己満足。
どこまで行ってもカイネがやってる行為って「李牧様♡李牧様♡」でしかなく、周囲どころか本人の都合すら無視してるのでタチが悪い。
逆にこいつ(と舜水樹)はいったい何をやれば読者の好感度を上げられるのだろうか。
ナッパのエネルギー波から悟飯を庇うとかすればいいのか。
78巻:春秋戦国時代の前田まさお


羌瘣軍の二千人将・南陳により実現した、羌瘣の甲冑姿。
進言した時期が韓の南陽の開城時であり、甲冑が完成したのが趙完全攻略戦の開始なので、作中時間で丸一年くらい試行錯誤してたと見られます。

もうちょい他にやることあったろという気持ちもありつつ、南陳よくやったという感情が抑えきれません。
宝石や装飾があしらわれた割とゴテゴテした見た目なのに、羌瘣も満足するほどの軽量化を実現している職人芸。
春秋戦国時代って青銅・鉄・鉛のような重い金属しか無かったと思うんですが、どうやって作ったんだ。
しかも単行本のおまけ4コマによると、南陳自らがデザインを手掛けている模様。なんだこの多才すぎる二千人将。

この「機能性」「着用者に合わせたデザイン」の両立を追い求める姿勢は、2000年くらい後の大正時代にも居ました。
そんな南陳のことを、敬意をもって評したいと思います。春秋戦国時代の前田まさおと。

まとめ
というわけで、「今さら『キングダム』を全巻読んだ」をお届けしました。
フルタイムで本業をやりながらニュースレターの配信をしつつ、その他のお仕事もいろいろ頂けている中で『キングダム』ほどボリュームのある作品に新しく手を出す時間はなかなか取れなくなってしまったのですが、
ブログネタになるなら…ということで無理やり読み始めて本当に良かったと思います。メチャクチャ面白いんだもの。
『キングダム』既読の方は是非、コメントでご感想をどうぞ。
「ここ注目するとこだろ!!何でスルーしてんだ!!!」というご意見も大歓迎です。
『キングダム』未読にもかかわらずここまで読まれた方、ありがとうございます。そして今すぐ全巻読んでください。
今年(2026年)はちょうどキングダム連載20周年イヤーということで、いろいろイベントやタイアップも開催されているので、入るタイミングとしては今が最適だと思います。
今後の新刊発売にあわせて本記事も更新するかどうかは……また考えます。
2025年9月、単著を出版しました!
タイトルは『産婦人科の質問箱 アレはホントにマジなのか』。
様々な俗説を検証する「アレはホントにマジなのか」のほか、
「ワクチンの話」「妊娠・出産の話」「健康の話」など、全26項目にわたる徹底解説をお楽しみいただけます。
現在、ニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を配信中です。
「男女の産み分けってできるの?」「逆子って直せるの?」「マーガリンは体に悪いの?」などの記事を基本無料で公開しておりますので、こちらもお楽しみください。

『医学の話を全くしないnote(仮)』も不定期配信中です。
医学や漫画の話をしたりしなかったりする雑記帳です。特に役に立たない話を読みたい方は、こちらもどうぞ。





