こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
Xの方をご覧になっている読者の方々はご存知のことと思いますが、
私やっきーは2024年6月よりニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を開始しました。
当ブログ『産婦人科医が漫画を読む』では、主に「漫画オタク産婦人科医・やっきーが漫画を読んだ考察」をお届けしてきましたが、
『産婦人科医やっきーの全力解説』では「役に立つ&面白い医学の話」をお届けしております。
てなわけで本日は『産婦人科医やっきーの全力解説』を開始して1か月経った現在の状況と、
ブログがあるにも関わらずニュースレターを始めるに至ったきっかけについてお話ししていきましょう。
「実際ブログやってたらどれくらい稼げるの?」という生々しいお金の話もあります。
目次 非表示
やっきーの活動の変遷
ブログの始動
私が「やっきー」として活動を始めたのは、このブログの立ち上げと同時でした。
そもそもは「産婦人科と漫画を絡めたブログが書きたい」というところから始まり、
実名も顔も非公開で、友人・知人にも内緒で開始したため、
インターネットの海に突如湧いた謎の有機物としてシロクマ産婦人科医「やっきー」は誕生しました。
この「やっきー」の活動は、「クリニックの開業」という目標を見据えた上で知名度上昇を目的として始めたものです。
そのため、ただブログ記事を書きまくって知名度を上げるだけでも十分といえば十分だったわけですが、
とはいえブログの必要経費(パソコン・通信環境・漫画や医学書などの書籍代)を完全な私のポケットマネーからの持ち出しで運営し続けるのは健全とは言えませんし、
何より運営資金すら工面できない程度のブログでは「知名度上昇」という目的が達せられるとは到底言いがたいので、
「いずれは運営資金を自前で調達できるようにしよう」という二次的な目標も掲げていました。
となると、ブログにより何らかの方法でお金を稼ぐ必要があるということで、
これはもう言うまでもなくゴリッゴリの副業となります。
ところで、私は某大学病院の医局に属しているわけですが、医局という組織に所属する上で欠かせないものが3つほどあり、
まずは医局の内部でしっかり専門医を取得し、論文や学会発表といった功績を残すなどして医局の地位を向上させる「シノギ」、
どんな理不尽な人事を受けようとも医局の枠の中で働いて筋を通し、文句も言わず、組長(教授)のためなら雑用も上納金も厭わない「仁義」、
そして仁義に反した部下は医局の関連病院での仕事をしづらくなる「落とし前」という、
社会に反し気味な方々のソレと大差のない働き方が繰り広げられています。
医者という仕事は病院外でのアルバイトも必要に応じて行う(というか大学病院とかだとアルバイト無しでは生活が成り立たない)ので副業禁止が明言されることはまずありませんが、
私のブログに関しては「シノギ」と「仁義」に反するじゃろがいと言われればそれまでですし、
そんな私の行為が医局にバレたら指じゃ済まない何かが起きる可能性は否定できず、
それなりに今後の方針が立つまでは「やっきー」の正体はひた隠しにするほかないわけです。
(※国家公務員である場合、国家公務員法の規定で副業ができないので話が別です。私は国家公務員ではないのでセーフ)
ブログって儲かるの?
運営資金の話に戻しますと、ブログといえば「自宅でできる副業の代表格」「専業主婦でも月〇万円!」みたいなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、
実際問題、ブログで稼ぐには並大抵ではない勉強量かセンスか作業量が必要であり、
そもそも1円すら稼げず霧のように消えていく人が圧倒的に多いのがブログという副業です。
では当ブログはどうなのか、生々しいお金の話もしましょうか。
ブログは初期の設備投資こそそれほど高額ではありませんが、
月1000円~3000円ほどのサーバー代+ブログの外観を整えるために「テーマ」と呼ばれるデザインの費用がかかります。
ちなみに当ブログは「SANGO」というテーマを利用しており、こちらは14800円の買い切りです。
てなわけで、このブログを1年間だけ回そうと思うと最低限中の最低限の運営資金だけでも約26800円がかかり、
月当たりで割っても単月2000円以上の収益が出なければ赤字となるわけです。
安くても数万円以上するパソコン代や、月数千円の通信料を別にしてこれです。
サーバー代やテーマ費用に多少の差はあれど、この金額はどこのブログも大差ないはず。
では、ブログをやったら実際どのくらい儲かるのか?
これに関する資料として「アフィリエイトマーケティング協会」さんの調査を参照してみると、
2022年では「ブログで無収入」と「1000円未満の収益」を合わせて約50%になるという結果だったようです。
要するに半分近くのブログは運営資金が原価割れしていることが分かります。
しかもこの調査、はっきり言って全く正確とは言えず、
こういう調査に回答をしない「ブログを少しかじってすぐに辞めた人」は凄まじい数にのぼるため、原価割れしている人はもっともっと多いでしょう。
一応私はというと、月2000円以上の収益を上げられるようになったのがブログ開設から6か月目の2022年10月であり、
その後も徐々に伸びてきたため初期費用の回収は1年ほどで終了しました。(資料代を除き)
もっとも、毎日2~6時間くらいを365日かけ続けた結果なので時給換算すると泣けるくらいの数字ですが。
ただ、いくら初期費用が回収できたとしても、毎月のサーバー代や資料代はかかり続けます。
例えば、『名探偵コナン』の青酸カリの記事を書く際、さすがに一介の産婦人科医である私に青酸中毒症例の経験は全く無かったため、
「臨床中毒学」という定価14300円の書籍を買わなければなりませんでした。
他にも、『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の人工授精の記事を書く際も、
全話を詳細に読み込むために定価10000円超の単行本代が必要になるなど、なかなかこのブログの運営事情も厳しいものがあるのです。
一応、2024年に入ってからの収益額は平均して月1~2万円程度とまずまずの数字ではありますが、書籍代で丁度吹き飛ぶくらいの額ですし、
2024年5月には3年間使い続けてきたパソコンが寿命を迎えたため買い替えを余儀なくされるなど、
依然として毎月の運営資金はかろうじてトントン、たまにある大きい出費を勘定に入れると完全に赤字という状況でした。
とはいえ、この調子でアクセス数を伸ばしていけば運営資金にもっと余裕が出るはず…と考えつつ、さらにブログの執筆に奮闘を続けました。
月間10万PVショック
ブログ設立から1年10か月が経った2024年3月、ついに当ブログのPV数が月間10万PVに達しました。
これはどのような数字かと言いますと、
初心者のためのブログ運営サイト「マクサン」にて「ブロガー番付表」と呼ばれる初心者ブロガーの心を折ることでおなじみの図表が存在するわけですが、
とりあえず月間10万PVなら「トップアマ」を名乗れるレベルではあるということですね。
当ブログ史上最もPV数が伸び、Xでも5万バズを達成したツイートがあり、Amazon広告の調子も良かった2024年3月…
この月の収益額は合計して5万円ほどでした。
これは少ない額とは決して言いません。
1円も稼げず退場していく人が多い業界で、それだけの価値を読者様に提供できたことには誇らしい気持ちがあります。
また、多くのブログは収益性の高いアフィリエイト(商品やサービスを読者が購入すると、そのうちの一定割合が広告料として還元される)で収入を得ている中、
私は収益性の低いGoogleアドセンス(Googleから自動配信される広告が表示されるたび、一定の金額が広告料として還元される)で殆どの収入を得ているので、
我ながらこの悪条件の中ではよくやっている方だとも思います。
しかし、「トップアマを名乗れるPV数でこれだと今後の運営が厳しい」と言わざるを得ないのも事実でした。
今後、さらなる企画も考えていますし、それを実現させるためにはお金も必要になります。
資金問題をクリアしていかないことには、活動は萎んでいくばかりです。
余談として、2023年7月から始まったX(Twitter)の収益化プログラムですが、私は2023年12月に収益化条件を達成しました。
ところがハッキリ言ってXの収益はめちゃくちゃ微々たるもので、
ドル円の為替やバズリツイートの有無によってかなり左右されますが、私の場合はざっくり月3000~5000円くらい。
私には2024年7月現在で2万3000人以上のフォロワーさんがいらっしゃいますが、Xの収益額で言うとこんなもんです。
そもそもXを収益化するのに必要なX Premiumの登録料が月額1200円くらいかかるので、Xだけでお小遣い以上のお金を稼ごうとするのはなかなか茨の道であり、
アフィリエイトを絡めるか、最低10万人単位のフォロワーが居て初めて成立するビジネスモデルです。
Xの収益はほぼアテにできないと思って頂いて丁度良いです。
今後の活動について
『theLetter』からの勧誘
こんなふうにブログの収益構造に限界を感じていた2024年5月下旬、
ニュースレターのプラットフォーム『theLetter』を運営されている濱本さんから声がかかりました。
うさんくささ75点の雰囲気と偶然にしては狙いすまされすぎのタイミングに「詐欺師」の三文字熟語が浮かんだことは否めませんでしたが、
よくよく調べてみると小児科医・ふらいと先生、産婦人科医・重見大介先生、HPVの専門家・Amamino Kurousagi先生など、
名だたる医療のスペシャリスト達が『theLetter』を利用されていることに気付きました。
まあ最悪詐欺に遭ったとしても重見先生が道連れならいいやという気持ちで濱本さんの話を聞いてみると、これがなかなか興味深い。
『theLetter』では「登録せずとも誰でも読める記事」「無料で登録すれば読める記事」「有料で登録すれば読める記事」の3種類の記事を書くことができるため、
読者の方から「読みたい」と思って頂けた分だけの収益を受け取ることができます。
産婦人科関連だと胚培養士ぶらす室長が利用されているプラットフォーム『note』が近いですが、
noteとの相違点は大きく2点で、まずは登録すればメールで読者に自動的に新記事が送信される(そしてメール上で記事を読むことができる)こと、
そして企業案件の仲介をしてくれること。
私のような副業でやっている個人事業主にとって、特に後者のメリットは得がたく、
やり取りに手間がかかりすぎるので正直なところ企業案件は痛し痒しなところがあるのですが、
記事さえ書いてしまえば手間のかかる部分をほぼお任せできるのが嬉しいところです。
加えて、このブログで不定期でまとめていた『質問箱まとめシリーズ』ですが、
vol.1は私個人の話、vol.3は漫画考察のリクエストなので良いとして、vol.2とvol.4~6は全て漫画考察の絡まない医療の相談でした。
実はこのvol.2とvol.4~6の扱いにはずっと困っており、
アクセス数も各記事それぞれが1万PV以上という強いコンテンツだったわけですが、『産婦人科医が漫画を読む』というブログの軸からは内容がズレていたため、
どこかのタイミングで医療系の記事は別のプラットフォームに移設してしまおう、ということは何となく考えていました。
そのため、まさしく『theLetter』濱本さんの提案は渡りに船だったわけです。
『産婦人科医やっきーの全力解説』始動
そんなわけで2024年6月17日、ニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を始動することとしました。
このニュースレターを書く上での基本方針は3つ。
1つ目は「面白くて役に立つ記事を書く」。
いくら正しい知識だとしても、保健体育の教科書に書いてあるような内容には誰も興味ありません。
というわけで、2年間ブログで培ってきた文章力をフルに発揮し、「面白い」と「役に立つ」を可能な限り両立させた記事を作っていくことに決めました。
2つ目は「原則無料」。
私はブログにせよXにせよ、正確な医療情報は無料で公開して一人でも多くの人に読んで頂くべきだと考えているので、
目先の収益が多少減ろうともメインコンテンツは原則無料。これを絶対的な軸とすることにしました。
そして3つ目の方針が「有料コンテンツは外で出せないレベルの話をする」。
いくら原則無料で話したいといえど、さすがに誰もが読める場所で書けることじゃねえなという話もあります。
というわけで、『産婦人科医やっきーの全力解説』では月額700円から登録できるサポートメンバー制度を設けまして、
サポートメンバー様は「外では出せない記事を読める」「やっきーに優先的に質問を送れる権利」「YouTubeの限定生配信」といった特典を受けられるようにしました。
メンバー限定記事では「質の低い医者の見分け方とそれを穏便に回避する方法」などの攻めまくりの記事、
限定ライブ配信では私の今後の活動に関する深い話なども遠慮なく行っています。
ニュースレター開始から1か月経った現状
そんな感じで『産婦人科医やっきーの全力解説』開始から1か月が経ちました。
2024年7月27日現在の状況はと言いますと、登録者数が2100人超、サポートメンバー数が30人超と、予想を大きく上回る結果となりました。
本当に、読者の皆様には頭が上がりません。
加えて、株式会社ファミワンさんとのコラボ企画も打てました。
ブログの収益をほとんど諦めて新しいプラットフォームに移動するということで、個人的にはかなりの挑戦でしたが、
現状は軌道に乗り始めてきていると言って差し支えないと思います。
とはいえ、ブログを完全に捨て去ったわけではなく、こちらはこちらで不定期ながら更新を継続していく方針です。
漫画は変わらず大好きですし、マンガ考察記事を考えるのも楽しいので。
最後に
というわけで、本日はニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を開始して1か月が経った現状に関するお話と、今後の展開についてをお届けしました。
ブロガーとして始めた「やっきー」の活動ですが、講演・寄稿・医師国家試験講師・SNS・生配信など、
当初はまさかここまで活動が広がっていくとは全く予想していませんでした。
このように活動を広げている最中なので、ご支援を下さるサポートメンバーの皆様のお陰で非常に活動しやすくなりました。
本当に助かっています。いつもありがとうございます。
これからも、ご支援に見合うだけの価値を提供し続けていきたいと思います。
もちろん、無料登録の方も大歓迎です。
無料・有料にかかわらず、ニュースレター登録者数や記事閲覧数が多いと企業様からのスポンサードを受けやすくなり、より良質な記事を作ることに繋がるためです。
『産婦人科医が漫画を読む』と『産婦人科医やっきーの全力解説』への変わらぬお引き立てをよろしくお願いします。
こちらの記事もお読み頂けると幸いです。
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現在、ニュースレター『産婦人科医やっきーの全力解説』を配信中です。
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