こんにちは！
産婦人科医やっきーです！
突然ですが、皆様はこのコマを見たことがありますか？
漫画は知らないがこのコマだけは知ってる、という人は多いのではないでしょうか。
その異様なインパクトで一度見ると忘れられないワンシーンですが、
こちらは『げっちゅー♡』という少女漫画に出てくるひとコマです。
もう一度言いますが少女漫画です。
この「繋がったまま」というのは暗喩や別の意味ではなく、
まごうこと無くセックスしたまま街中を闊歩してます。
『NANA』や新條まゆ作品に代表される、「少女漫画が過激になってきた」と言われる2000年代初頭を象徴する作品とも呼べるかもしれません。
さて、こんなふうに「セックスの最中にペニスが抜けなくなる」という現象は俗に「腟けいれん」と呼ばれており、そのセンセーショナルな内容から「聞いたことはある」という方は多いかと思います。
（詳しくは後述しますが、この認識は医学的に間違っていますのでご注意下さい）
腟けいれんを題材としたコメディ映画なんかもあるみたいですね。
そんなわけで本日の【漫画描写で学ぶ産婦人科】は、すぎ恵美子先生『げっちゅー♡』より腟けいれん・陰茎捕捉に関して解説していきましょう。
目次 非表示
げっちゅー♡とは
そもそも『げっちゅー♡』本編の知名度が著しく低いので、まずは本編の解説から行っていきます。
例のコマで入れてる方ことSHINがこの漫画のヒーローです。
SHINは女子高生を中心にブレイク中のミュージシャンです。
端正なルックス、繊細な歌声、プロフィールは謎というミステリアスさが人気を呼んでいるようですね。
この世界では有名な大スターなのでマイクがカプリコ級のサイズでも許されます。
そして、フットーしそうな方こと椎名安俚がこの漫画のヒロインです。
地味に作画が安定しないので、巻を飛ばし飛ばし読むとどれが安俚なのか微妙に分かりづらいのが欠点です。
安俚はごく一般的な高校２年生の17歳。
成績も運動神経も普通で、趣味や特技もありません。
特徴はと言うと、SHINの熱狂的なファンだということくらいですね。
一般的ではありませんでした。
頭がおかしい人でした。
街頭インタビューでこんなもんを放送してしまうテレビ局はそれ以上に重症な気がしますが、
この痴態を1時間の説教で済ませてしまう担任も中々のものですね。
職員室で絞られた安俚に対し、友人であるキミコからさる筋から手に入れたというSHINのパンツを5000円で売られます。
喜んで買い取る安俚。
そしてトイレに直行し…
筋金入りの変態でした。
17歳処女でこれだけのこじらせ具合だと、
安俚は今後いったいどうなってしまうんでしょうか。
性欲おばけを通り越して鹿目まどかみたいに性欲という概念そのものにでもなるのでしょうか。
ちなみにキミコが持ってきたパンツは兄貴のだったそうです。
今のところまともな登場人物が誰もいませんが、話を続けます。
そんな安俚は、SHINがよく訪れるという会員制のクラブの前で張り込みます。
SHINが現れるまで粘ってやる、と意気込む安俚。
後ろから「ヘンな女」と言われて振り返ると、そこには…
SHINが居ました。
そんなことある？？？
居てもたってもいられず、
SHINが乗り込んだ車の前に飛び出す安俚。
気が付くとベッドで寝かされていました。
どうやら気絶した安俚をSHINが運んできてくれたそうです。
目の前で知らない人が気絶した場合、普通は近くのHOTELに行くのではなく救急車を呼ぶものではないかと思いますが、そんな常識人はこの漫画に居ないので問題ありません。
こんな急展開に戸惑うかと思いきや、我らが安俚は
…すみません訂正します！
この痴女処女、初手から一段階上のチューしてました！！
ここでSHINによる「ヘンな女」が炸裂します！
「ヘンな女」が来ましたよ皆さん！！
ここで少女漫画を嗜まない方に解説しておきますが、少女漫画界において斜に構えたイケメンが言う「ヘンな女」とは、
「ヘンな女」
→「見たことない女」
→「他の女じゃ満足できない」
→「お前しか見えねェ」
という意味です（やっきー調べ）ので、どうやらSHINも安俚の虜になってしまったようです。
そして安俚は念願であった、SHINへ処女を捧げることに成功しました。
性交だけにねってやかましいですね
なお、ここから先の『げっちゅー♡』のストーリーを要約すると、
「安俚とSHINがセックスする」「何か問題が起きる」「解決してセックスする」を無限に繰り返す物語です。
これがエロに振り切った伝説の少女漫画『げっちゅー♡』であります。
例のコマ
ここまでで皆様はホテルの朝食バイキングで調子に乗ってしまった時くらいお腹いっぱいだと思いますが、本題はここからです。
そう、例のコマの検証です。
例のコマが出てくるのは『げっちゅー♡』10巻。
安俚とSHINによるいつものセックスシーンから話の導入が始まります。
導入なのに本番からとはこれいかにってやかましいですね
SHINがミュージシャンとしてどんどん売れてきて多忙を極める中、
忙しい合間をぬって本日３回目のセックスに励んでいるところ、
SHINの姉でありマネージャーでもある沙織から仕事の連絡が入りました。
私には姉と電話中に行為をいたす度胸はありませんが、
そんなフニャチンにこの漫画のヒーローは務まりません。
とはいえ仕事で呼ばれてしまっては仕方がありません。
この続きは今度―――
―――抜けない…っ
※そのまま画像を載せるとGoogleさんに怒られるので画像を加工しております。
報告を受けた沙織は青ざめながら、「いわゆる腟ケイレンってやつかしら」とため息をつきます。
仕方なく仕事はキャンセルし、沙織の車で病院に行くことにしました。
カーブのたびに発情する安俚。
そして猫が飛び出してきて急ブレーキがかかりました。
かたや安俚にはアクセルがかかっているという
美しき対比構造に読者が感心を覚える暇もなく、
柱に衝突してしまい、車を動かせない事態になってしまいました。
車がこれだけ壊れるとなると後部座席への衝撃もかなりのものだったはずですが、SHINの芯（うまいこと言った）は無事なのでしょうか。
まあ当然ピンピンしてます。
この漫画の主人公たる者、この程度の事故でダメになるほどヤワなモノは持っていません。
それどころか、沙織が救急車を呼ぼうとするところを制して言います。
「そんなモン呼んだら騒ぎになるぜ だったら俺達で歩いていくって」
どう考えても挿入中だとバレる方が遥かに騒ぎになりそうな気がしますが、
SHINにそんな一般常識は通用しません。
「なるべく刺激しねェよう歩くから」とかなんとか言ってますが、
これはSHINによるプレイの一環の可能性が高いと私は睨んでいます。
なるほど、こういう経緯でSHINと繋がったままこんな街中を歩いていたんですね。
またひとつどうでもいい知識が増えました。
しかし、真夏にロングコートで女性を抱きながら歩いているというどう見ても怪しすぎる姿のせいで周囲の目を浴びまくります。
というかSHINであることまでバレバレです。
この時点でSHINの「救急車を呼んだら騒ぎになるから歩いていく」というロジックは崩壊してしまっていますが、SHINはここで次の一手に出ます。
「――――走るゾ」
繋がったまま走り出すSHIN。
そこでダッシュという選択肢をとることの是非はさておき、前から見ると安俚のケツが丸出しだったことが判明しました。
真夏にロングコートを用意する暇があるならもっと長いスカート履かせてやれよ。
そんなこんなで追いかけてきた通行人たちを振り払うSHINと、あまりの快感に気絶する性欲お化け。
それにしても18歳女性（平均体重49.6kg）と陰部が繋がったまま走り出し、しかも複数人を撒けるSHINの体力にはお見それするほかありませんね。
気が付くと、近くのラブホテルに連れ込まれていました。
どうやらSHINは周囲で女性が気絶した場合、とりあえず近くのHOTELに連れ込むという習性があるようですね。
病院ではなくHOTELにいることに戸惑う安俚ですが、
「逆方向に来ちまったみたいだ☆」と軽やかに返すSHIN。
きみ刑法って知ってる？
そして汗をかいたのでお風呂に直行。
もちろん安俚に負けず劣らずの性欲魔人であるSHINが何もしないわけがなく、よからぬ手技に興じ始めます。
そんなSHINに対し、安俚は
「最近のSHINってHばっかなんだもんっ」
と不満を露わにします。
初対面のSHINを押し倒したお前が言うか？
しかし安俚は至って真剣。
セックス以外にも愛情表現があることを話します。
安俚が性欲おばけから突然普通の女の子になった事実に私は動揺を隠しきれませんが、
二人はじっくりと話し合い、穏やかな時間が流れました。
とはいえ、このままでは埒があきません。
SHINにも仕事がありますし、生活もままならないでしょう。
SHINは意を決して、救急車を呼びました。
戸惑う安俚に対し、「おまえにこれ以上無理させらんねェよ」と返すSHIN。
とりあえず、その常識的な結論に達するまでの間に無駄に愛車をつぶすハメになった沙織さんに謝った方が良いと思うよ。
そんな安俚に対し、SHINは甘い言葉と共に必殺の顎クイを披露します。
これにはもう安俚もメロメロです。
しまいには救急車を呼んだ直後だというのにとびきり極上のKISSをねだる安俚。
しかもたくさん。
身体中に。
お前もSHINと同類やないかとかそもそも極上のKISSってどんなんだよなどと読者が思う暇もなく、応じるSHIN。
ご満悦の安俚。どうやら極上のKISSが無事に炸裂した模様です。
さすがSHIN、スーパースターは対応力が違いますね。
私なら女性に「極上のKISSをして」などと言われてもそんな技術は持ち合わせていないため、
平凡なKISSをしてしまい場をシラけさせること請け合いです。
二人が発情しているところに救急車のサイレンが響きます。
覚悟を決めて出ようとした瞬間、
…抜けた！！？
救急隊を放置して笑顔で逃げ出す二人。
救急医療に携わる人間としてはこいつらに重めの天罰が下ってほしいところですが、
とにかくなんか良い感じに話は終わりました。
腟けいれん・陰茎捕捉
はい、読んでるだけで疲れましたね。
しかしもう少しだけお付き合い下さい。
（私も忘れかけてましたが）ここからが当ブログの本領です。
そもそも「腟けいれんって実際に起こるの？」という話ですが、
そこを解説する前に「腟けいれん」という病気そのものについて解説していきます。
腟けいれんとは？
そもそも、「腟けいれん」とは入れたものが抜けなくなる病気ではありません。
本人の意思に反してペニスや指、産婦人科の診察器具などが入れられなくなる、という病気です。
米国精神医学会が発表している診断指針「DSM-IV-TR」にも“腟けいれん/Vaginismus”として記載されているれっきとした病気ですね。
なお、2013年に改訂された診断指針「DSM-5」では「腟けいれん」は「性交疼痛症」と統合され、「性器-骨盤痛・挿入障害」というひとつの疾患になりました。
精神医学会が出していることからも分かるように、性器自体に何らかの異常があるというより精神的な負担によって起きるところが大きいようです。
このあたりはSHINが解説している通りですね。
ですが、その他の内容はめちゃくちゃ間違ってます。
とにかく、腟けいれんは「抜けない病気」ではなく「入れられない病気」というわけです。
では、入れたものが抜けなくなる病気って何なの？というと、これは「陰茎捕捉」と呼ばれる現象ですね。
陰茎捕捉とは？
SHINと安俚に起きていた現象、それが「陰茎捕捉/Penis Captivus」です。
先に言っておきますと「陰茎捕捉」は架空の現象であり、きちんと病気として認められている「腟けいれん」と違い、どの医学会からも正式な病名として認められていません。
なぜなら、「陰茎捕捉」は現実世界ではほぼ100%起きえないからです。
性交中の女性器は、摩擦を軽減させるために大量の分泌液を出しています。
そしてヒトの男性器は多少の個人差こそあれ、ほぼ円柱形に近い形をしています。
ちょっと想像してみてほしいのですが、
円柱形でヌルヌルしている棒を手で強く掴んだとして、どんなに引っ張られてもがっちりホールドなんてことが果たして可能でしょうか？
日々たくさん使って鍛えられている手の握力でこれですから、
手よりずっと弱い腟の筋肉でこんなことが起きるわけがありません。
過去の報告を調べる
…と言い切ってしまうのは簡単ですが、せっかくなのでもうちょっと調べてみます。
世界中の医学論文が調べられる、医師の御用達サイトPubMedで検索してみましょう。
えーと、Penis Captivus…
きました！
論文が５件ヒットしました！
５件？？？？
医師や医療系研究者の皆様ならここで異常性にお気付きかと思いますが、
普通、ちゃんとした病気をPubMedで検索して５件なんてことはあり得ません。
例えば「心筋梗塞/Myocardial Infarction」で検索したら277,544件ヒットしました。（2022年10月現在）
PubMedは世界中の医学論文が集まるサイトなので、
今までに世界中で陰茎捕捉について言及した論文が５つしか無かったということです。
しかも陰茎捕捉に関する論文は1983年のものを最後に、以降約40年間ひとつも発表されていません。
要するにそういう扱いの病気だということです。
さて、この５件のうち、全文が調べられたのはイギリスのF Kräupl Taylor先生が1979年に書かれた“Penis captivus – did it occur? (British Medical Journal 20, Oct; 1979)”たった１つだけでした。
これを読んでみましょうか。
めんどくさっ
失礼しました。高尚な医学の勉強を面倒くさがっていてはいけませんね。
高尚？
いや、とにかくこの英語論文をたんねんに読み解いてみます。
Penis captivus – did it occur?
ここからは論文の重要な部分を日本語訳して（私の意訳も込みで）載せていきます。
タイトルは『陰茎捕捉 ― それって実在するの？』といったところでしょうか。
気になる人は全文を原著で読んでね！！！
そして私と同じ苦しみを味わってみてね！
『陰茎捕捉』って聞いたことあるよね。でも、そんなことが本当に起こるのかな？
僕はこの論文を書くにあたって、昔の文献を調べてみたんだ。
そしたら、1945年にRicci先生が「1729年に陰茎捕捉について言及した報告を見つけた」って書いてたんだ。
あとは、1935年にRolleston先生が「ロンドン中の知り合いの産婦人科医や泌尿器科医、医療歴史学者に聞いてみたけど陰茎捕捉なんて見たことも聞いたことも無いって言われた」って報告してたよ。
Penis captivus – did it occur?
あとはRolleston先生が中世の文献を調べたところによると、
教会で夜中にイケナイことしてて、陰茎捕捉の状態で朝に発見されたっていう逸話が見つかったみたいだ。でもウワサ話の類だし、ちゃんとした学術報告ではないから信憑性は薄いよね。
他にも眉唾ものの話がいくつかあるけど、どれも根拠が微妙なんだよね。
Penis captivus – did it occur?
1979年当時に44年前の文献を検索するのはかなり大変だったと思いますが、こんな都市伝説級の病気を調べるためにそこまでするとは凄まじい執念ですね。
個人的には、この論文を書かれたTaylor先生とは自分に近い何かを感じます。
ご存命であれば仲良くなれそうです。
比較的信憑性がある文献が、19世紀のドイツに2つあったよ。
まず、Scanzoni先生が陰茎捕捉っぽい症例について言及してるよ。
挿入した状態で10分くらい抜けなかったみたいだ。もう1つが、Hildebrandt先生の報告だね。
Penis captivus – did it occur?
抜けなくなったのが何分続いたかは分からなかったみたいだ。
おお！19世紀のドイツに症例報告が2つもあったようです。
とはいえ、医師がその現場を目撃したわけではなく、しかも持続時間は比較的短く普通に抜けたそうです。
Hildebrandt先生としては、腟の筋肉が締まって起こるってことには懐疑的らしいね。
ほら、腟の筋肉ってそんな強くないからさ。
Penis captivus – did it occur?
あえて言うなら、肛門挙筋が原因なんじゃない？って書いてるよ。
ま、ただね。
この2つの症例はどっちも通常の夫婦だ。
落ち着いて、リラックスして、抜けるのを待つ時間はあるだろう。でも、陰茎捕捉が精神的な緊張によって起こるものだとしたら、
Penis captivus – did it occur?
イケナイ関係の2人に起きた場合にもっと長く症状が続く可能性は否定できないよね。
結論として、陰茎捕捉を僕は見たことはないし、
信頼できる報告が見つかったってわけでもないけどさ。ただ、もっと軽度で、わざわざ医者にかかるほどでもない程度の症状はどこかで起きてる可能性もあるんじゃないかな。
Penis captivus – did it occur?
というわけで、結論としては「何時間も続くことは多分ないけど、軽いやつなら起こるかもね」ということでした。
Taylor先生、ありがとうございました。
特に「肛門挙筋が原因ではないか」という話は初めて知りましたが、普通に勉強になりました。
要するに、SHINと安俚のように車に乗ったり街中を歩いたり頭がフットーしたり走ったりHOTELに入ったり風呂に入ったり風呂から出たり極上のKISSをしたりするほどの時間、症状が持続することは無いといって良いでしょう。
ちなみにかなり省略していますが、この論文も濃度が異常に濃く、『げっちゅー♡』を読んでる時ぐらい疲れました。
ク〇ニという単語が出てきた論文を読むのも人生で初めてでした。
どういう話の流れで出てきたか気になる人は原著を読んでね！！！
Wikipediaの間違いについて
ちなみに2022年10月現在のWikipediaの「腟痙攣」の項目は色々間違ってます。
「腟痙攣」の項目では「腟けいれん」と「陰茎捕捉」が同じもののように書かれていますが、
そもそも「腟けいれん/Vaginismus」と「陰茎捕捉/Penis Captivus」は全く別の概念です。
「腟痙と類似しているが―――」という記述もありますが、
「腟痙攣」と「腟痙」を区別する定義そのものが存在しません。
少なくとも私がPubMedや医中誌、メディカルオンライン等で探した限りは見つかりませんでした。
ここからは私の想像ですが、昔の偉い先生の間でこういったやり取りがあったのではないでしょうか。
英語の文献にPenis Captivusっていう病気が載ってるぞ。
どうやら腟が締まってペニスが抜けなくなる症状らしい。
腟が締まる？それどこかの本に載ってましたよ。
えーと…あったあった。この病気ですよね？
本当だ。「腟けいれん」っていう病気は腟が締まるって書いてあるな。
（※実際には「腟けいれん」は「Vaginismus」の和訳）
ってことは、「Penis Captivus」の和訳は「腟けいれん」で決まりですね！
おそらく、こんな感じの経緯で「陰茎捕捉/Penis Captivus」と「腟けいれん/Vaginismus」が混同されるようになってしまったのではないかと思います。
（勘違いしたのは医師ではなく、一般人なのかもしれません）
そしてやっかいなことに、「陰茎捕捉」は実際にはほぼ起きない現象なので、
「腟けいれん」との誤訳や勘違いがはっきりと訂正されることのないまま今に至っているのではないでしょうか。
これに限らずWikipediaの医学情報は間違っている、または古いものがかなり多いので、過信しないようにしましょう。
まとめ
本日は『げっちゅー♡』より腟けいれん、陰茎捕捉について解説しました。
何気ない漫画のひとコマ…と言うにはちょっとインパクトが強すぎるコマですが、それでも取り上げてじっくり考察してみると実に興味深いものですね。
以下、関連記事です。
過激な少女漫画といえば、やはり新條まゆ作品でしょう。
セックスそのものだけではなく、その後の妊娠についても考えてみましょう。
私が知る限りで膣痙攣の最も古い症例報告と思われる物は1884年12月13日にEGERTON Y. DAVIS,が報告した物があるのですが、
この人物はウィリアム・オスラー先生のギャグネームで架空の人物です。
私は膣痙攣をウィリアム・オスラー先生の創作ではないかと考えています。
フィラデルフィア・メディカル・ニュース
https://archive.org/details/medicalnews45philuoft/page/672/mode/2up?view=theater
こちらの本にもあります。
Osler Library Studies in the History of Medicine (The works of egerton yorrick davis,md,Sir William Osler`s Alter Ego,3)
ISBN-13： 978-0771705489
コメントありがとうございます！
なるほど、19世紀にもそんな報告があったのですね…
しかし、仰るように信憑性は低そうですね。
情報提供ありがとうございました！
とても興味深く拝読させていただきました。
膣から抜けなくなってしまうという事象は想像以上にレアケースなんですね。
【○○中(中学校の名前)事件】という名前で陰茎捕捉があったらしい！という話は残っていますが(有名なのだと大田区の某中学、あとは私の住んでいる地域の中学でもそういう事故があったという話があります)
この手の話は結局救急車沙汰になった！というオチが定着していますが、もしかしたらごく限られた一時的なモノでそこまでは話は発展していないのかもしれませんね。