こんにちは!
産婦人科医やっきーです!
突然ですが、私は居酒屋などで見かける「珍しいメニュー」が大好きです。
以前(コロナ禍前)も、同僚と飲み会をした際にスズメの丸焼きがあったので人数分頼んでみたところ、私以外誰も手を付けなかったため人数分食べた経験があります。
スズメは美味しかったです。
そんな私が本日ご紹介するのは、2024年現在、雑食レビューマンガの2大巨頭とも呼ぶべき『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』『アタマの中のアレを食べたい』です!
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桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?
まずご紹介するのは、ぽんとごたんだ先生の『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』です。
…タイトルが長いので以降は『桐谷さん』と略して呼びます。
主人公は高校一年生の桐谷翔子。
顔よし、スタイルよし、性格よし、成績よしの完璧人間です。
桐谷さんは幼少期から食への好奇心が異常に強く、
飼育小屋のウサギを見てはヨダレをたらし、野鳥を見ては焼き鳥を連想する子どもでした。
そんな桐谷さんは高校生になり、絶世の美少女へと成長すると共に食への興味はますます加速しました。
そして、もう一人の主人公が榊伸一。
桐谷さんが通う学校で生物の教師をしており、幼少期からご近所付き合いもある旧知の仲です。
食への探求心がとどまるところを知らない桐谷さんは、
ヘビやザリガニといった比較的メジャーな雑食材は勿論のこと、
日本でも一部地域でのみ食されている(生産されている)フグの卵巣の糠漬け、イソギンチャクといったややマイナーな雑食材、
タヌキ、ラクダやカンガルー、最近話題となっているコオロギ、
果てはGのミルクまであらゆる食べ物に興味を持ち、毎回なぜか榊先生を巻き込んで食します。
そんな『桐谷さん』第1話で扱われる食材はカエル。
桐谷さんは榊先生を巻き込み、理科室でカエルの調理を始めます。
その場でカエルをシメて、さばき、調理を進め(味付けは塩のみ)、
出来上がったのはビジュアルを無視したスープでした。
この漫画の見どころと言えば、こうした桐谷さんが持ってくる強烈な食材と料理、
そしてこの他の追随を許さない食レポでしょう。
とりがらスープ。
非常に端的な感想で、読者に味を伝えます。
鶏肉の風味ながらどことなく白身魚のようでもある、という詳細なレビューも付いてきます。
このように『桐谷さん』における未知の食材のレビューは非常に秀逸で、
(おそらく)作者が実際に食した第一印象をストレートに伝えてくれるおかげで味の想像が非常につきやすいのです。
例えば、ドブ川の鯉を釣って鯉こくにした時も、
ぬまくなぁい…!!
サソリを素揚げにした時も、
かっぱさそせん
豚のキンツル(ち〇ち〇)を食べた時も、
立派なものをお持ちで…
サボテンを生で丸かじりした時も、
カブトムシが好きそうな味…
このように、桐谷さんが独特な表現で味を伝えてくれるおかげで、
まるで桐谷さんや榊先生と一緒に珍食材を食べているような気分になれます。
話自体も基本的にはほぼ変わりなく、
桐谷さんが変な物を食べる!榊先生が嫌々ながら付き合う!という話がずっと続きます。
登場人物たちも全員善人(食の嗜好はさておき)なので読み進めるストレスが無く、
美少女の桐谷さんが調理・食事をするシーンは眼福ですし、
味の感想そのものも読んでいて非常に楽しめます。
個人的にはこの話の屋台骨となっている桐谷さんと榊先生の関係性にも注目したいところですね。
二人の微妙な距離感は、桐谷さん自身も気付いていない榊先生への淡い恋心によるもの。
全体的にコメディ色の強い話が展開されていますし、
恋心が描写される場面もそう多くはないのですが、
この雑食で繋がった関係性… いいよね… いい…
強いて『桐谷さん』に不満を挙げるとするなら、このタイトルですね。
『桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?』という、
発音しにくく、検索しにくいタイトルが無視できない欠点です。(株主優待で有名な桐谷さんばかり引っかかります)
とはいえ中身は文句なしの良作です。
この機会に読んでみてはいかがでしょうか。
アタマの中のアレを食べたい
『桐谷さん』は2016年から連載され、唯一無二のテーマで漫画界隈では話題となっていた作品です。
そんな『桐谷さん』を猛追してきたと評判(私の中で)なのが、2020年連載開始『アタマの中のアレを食べたい』です。
『アタマの中のアレを食べたい』はアサギユメ先生によるノンフィクションエッセイ漫画です。
こちらも『桐谷さん』同様に珍しい食材を扱う漫画なのですが、
この作品を唯一無二のものにしている要素は、夫・鯨川リョウ先生の存在です。
鯨川先生といえば、爬虫類飼育マンガ『秘密のレプタイルズ』などを代表作に持つ人気漫画家ですね。
ノンフィクションのため、アサギユメ先生ご自身も、鯨川リョウ先生も頻繁に登場します。
ちなみにこちらの紫の毛玉は鯨川先生の自画像となっています。
モリゾーではありません。
さて、『アタマの中のアレを食べたい』の内容ですが、
アサギユメ先生が珍しい食材を食べ、鯨川先生が嫌々ながら付き合うという、
『桐谷さん』をそのまんまノンフィクションにしたような内容となっています。
が、おそらく雑食マンガとしてはこの形が最適解なのだろうと思います。
「変な物を食べたい人」「一般人目線の感想を言う人」のフォーマットは崩せないところなのでしょう。
しかし、この作品が『桐谷さん』と大きく異なる点が2つあります。
1つ目は、前述した鯨川リョウ先生がケタ外れの動物好きだということにあります。
動物に関する豊富なうんちくを持ち、食べ物の好き嫌いが多く、珍食材を嫌がるものの、結局付き合いは良い。
鯨川先生のキャラクターはこの漫画のためにあると言っても過言ではありません。(過言です)
例えば、ジャイアントミルワーム(鯨川先生が飼っている爬虫類のエサ)を素揚げにして食べる際、
アサギユメ先生をもってしても生臭くてイマイチな出来栄えでした。
そこで動物好きの鯨川先生が動きます。
鯨川先生のアドバイスによりワームにフルーツを与えたところ、
素晴らしく美味しくなりました。
そして『桐谷さん』との相違点の2つ目として、
珍しい食材を扱ったお店をしばしば訪ねていることも挙げられます。
山菜・ジビエ料理で有名な囲炉裏料理の「たでの葉」など、実在のお店もよく登場します。
このように美味しいお店のレビューも盛り込まれているので、実用性にも富みます。
こういった具合に、『桐谷さん』とは丁度良い差別化ができています。
アサギユメ先生のノロケも多分に入っているため人によっては胃もたれするかもしれませんが、
鯨川先生作品特有の秀逸な会話劇も存分に発揮されており、夫婦の日常漫画としても優れています。
結論として『アタマの中のアレを食べたい』は、
雑食レビュー漫画『桐谷さん』と、
お店レビュー漫画『愛がなくても喰ってゆけます。』と、
夫婦日常漫画『ダーリンは外国人』の魅力を全て盛り込んだ贅沢な作品と言えるかもしれません。
上記3作品のいずれかが好きなら、文句なくお勧めできる漫画。
『アタマの中のアレを食べたい』でした。
まとめ
以上、おすすめ雑食レビュー漫画2選をお届けしました。
どちらも雑食を軸としつつ、コメディとしても良質なお勧め作品です。
にわか雑食好きとしては、作中に登場した食材も食べてみたいですね。
東京に行く機会があればお店にも行ってみたいところです。
虫は…まあ、機会があれば…?
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